２年廣本、足でチームけん引−延岡学園

県高校野球大会２０２０

　延岡学園は序盤から上位打線が機能し快勝。「一日でも長く、３年生と一緒に野球がしたい」。５打席で４出塁を果たした２年リードオフマン廣本が、８強へチームを引っ張った。

　「失策でも四球でも何でもいい。出ることが自分の役目。そのためにボールは振らない」。初回、言葉通りに四球を選ぶ。２番尼嵜の２球目に盗塁成功。先制の３点につなげた。

　二回は中前に落として出塁。相手バッテリーに警戒されながらも大きなリードを取り、５０メートル６秒３の俊足を飛ばして再び盗塁。二塁上でもプレッシャーを与え続け、４番押川の右前適時打を呼び込んだ。

　果敢に次塁を狙うのは「クリーンアップがかえしてくれる」と、信じているから。中盤以降は得点につながらなかったが、三、六回も四球と敵失からダイヤモンドを駆け回り、存在感を示した。

　２試合を通して出塁率、打率ともに貢献してはいるが「チームに勢いをつけるためには、ポテンヒットではなく強いゴロを打たなければならない」と二回の安打を悔やみ、納得した様子はない。「次までに修正し、優勝するために自分の役割を全うしたい」。前だけを見据え、準々決勝に臨む。


◇打たせて取るを意識−市原（７回３分の１を投げ、被安打４無失点の粘投）
「バックはいい選手ばかりなので、打たせて取ることを意識し、キャッチャーを信じて投げた。インコースを攻め、ゼロで抑えたのは良かったが、内容には納得してない。応援に来てくれた家族にいい姿を見せられなかったので、次は全ての力を出し切りたい」


◇調子上がってきた−川越（２年。４打数３安打）
「３年生のアドバイスのおかげで調子が上がってきた。３年生は最後の大会なので、足を引っ張らないように全力でプレーし、優勝してもらいたいし、それに貢献したい」


◆先制の２点適時打−吉村

　延岡学園は、初戦に続きクリーンアップが勝負強さを発揮。初回、１死満塁で５番の吉村が追い込まれながらも外角高めのカーブをきっちり振り抜き、先制の２点適時打を放った。

　胸をなで下ろした一打だった。初戦は１安打で３、４番が複数安打。「自分だけ打てていない」思いを初回からぶつけた。「チームに勢いを付けたい。ストライクが来たら思いっきり振ろう」と左前に運んだ。

　マスクでも完封リレーを演出したが、「自分の当たりは取り戻せていない」と打撃内容には反省も。「とにかく貢献したい」。好捕手ひしめく今年の宮崎。チームの結果でその頂点に立つ。