１９年度販売総額約２７億円

東臼杵郡市畜連総会

◆コロナ影響、前年を下回る

　東臼杵郡市畜産農業協同組合連合会（山本照弘会長）の第６９回通常総会は１０日、延岡市櫛津町の同会館で役職員らが出席して行われた。２０１９年度の販売総額は、子牛と成牛を合わせて２７億４２５２万円で、前年（２８億７４６３万円）をやや下回った。子牛は目標（３５９８頭）を上回る３６５４頭の取扱頭数となったが、金額では２５億９６７万円で目標（２５億３２１４万円）に及ばず。成牛は取扱頭数５９２頭（目標５７６頭）、金額２億３２８５万円（目標２億２９６万円）で、いずれも目標を上回ったことが報告された。昨秋の消費増税などに加え、年明けから新型コロナウイルスの影響で外国人観光客などの需要が急減し、競りの平均価格が急落したことが要因とみられる。

　山本会長は「消費増税と大型貿易協定の締結に加え、新型コロナウイルスの拡大がインバウンド需要の減少と消費低迷を招き、子牛価格も下落する厳しい状況にある。畜連としては特定疾病対策や建物の改築など、管内の問題にも役職員一丸となって一つ一つ解決していかなければなりません」とあいさつした。

　また、２０１９年度の事業と決算、２０年度の事業計画を承認した。２０年度の取扱目標は子牛３６００頭、成牛５４０頭の計４１４０頭。合計金額で２１億３０６６万円と決定した。

　コロナ禍の終息が見通せない中、子牛の平均価格は前年度より１５万円程度下がる上、素牛価格の高騰で厳しい経営環境になると予測。このため、質と量を兼ね備えた母牛群の造成と維持・拡大に努めるほか、母牛の積極的な更新、特定疾病対策の徹底などの方針を確認した。

◆新会長にＪＡ延岡楠田組合長を選出

　総会では、ＪＡ延岡の役員改選に伴う役員人事があり、退任する山本照弘会長の後任に、同ＪＡの楠田富雄組合長を新会長に選出、新体制を発足させた。任期は山本前会長の残任期間の２年。

　楠田新会長は「重要時案が多い中、身の引き締まる思い。私たちの使命は東臼杵郡市管内の営農振興と増頭、農家の所得向上です。良質な子牛の生産、ＪＡと畜連による高度な技術指導と支援、購買者への情報提供、この三つが最終的には農家の所得向上につながる。その使命を果たすために、皆さまのご指導をいただきながら頑張っていきたい」と抱負を述べた。