県境を越える移動抑止へ−九州知事会

大型連休控え、危機感共有

　河野知事は２４日、九州地方知事会（会長・広瀬勝貞大分県知事）の臨時ウェブ会議に臨み、新型コロナウイルス感染拡大防止に向け全県が一致団結して、大型連休中の県をまたぐ移動の抑止に努めることを確認した。

　沖縄県を含む九州・山口地方の９県知事を、インターネットのオンライン会議システムでつないで実施。長崎県はクルーズ船の集団感染対応に伴い、副知事が代行した。

　各県の状況報告で、佐賀県や福岡県ではクラスター（集団感染）が発生し、ナイトクラブやパブなど夜間の接客を伴う店が温床だったと説明。感染者が急増している沖縄県を含め、感染経路がたどれない患者が増え始めているとして、危機感を共有した。

　また、山口県ではパチンコ店に福岡方面などからの来客が目立ち、鹿児島県など複数県で県外から感染がもたらされたことを確認。このため、各県は緊急事態宣言発令期間を中心に、夜間営業の飲食店や遊技場などへ休業要請を行っているとした。

　河野知事は１１日までに確認された県内１７人の感染者が九州で唯一、県外へ往来歴があるかその接触者だったため、「県外からの感染をいかに防ぐかに危機感を持って取り組んでいる」と説明。その上で、県外客が多いサーフィンの自粛、隣県からの誘因となるナイトクラブやパチンコ店などへ休業を要請したと報告した。

　例年の大型連休は各県とも帰省や観光、行楽などで人の往来が盛んになるが、今年は互いに県境を越える移動を控えるよう、「強力なメッセージ」を発信していくことで一致。３月の連休後に感染者が急増した東京などの教訓を肝に銘じていた。