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コロナ退散願い北浦のお大師さん

本紙掲載日:2020-04-13
3面
新型コロナの影響で参拝客も少なめ(延岡市北浦町宮野浦地区)

宮野浦八十八ケ所

◆お接待は中止−密接避け参拝

 「北浦のお大師さん」として知られる延岡市北浦町宮野浦地区の宮野浦八十八ケ所大師祭が13日にあった。地区内外から訪れた参拝客はお遍路で無病息災などを祈願。新型コロナウイルス感染拡大の影響で札所でのお接待は中止になり、不安定な天候が重なったこともあってややさびしい大師祭となった。

 例年にぎやかな一番札所では、高さ約5メートルの大師像に向かって真剣な表情で手を合わせる人の姿が目立った。体の不調で今年を最後と決めていたという川島町の80代女性は、密集を避けるため友人との誘い合わせをやめて1人で参拝。「本当は出歩かないのがいいのだろうけど、一番札所だけでもと思って。早く新型コロナが収まるようお願いした」と話した。

 宮野浦八十八ケ所は総延長約12キロ。市の文化財に指定(1989年6月)されており、毎年、弘法大師忌である旧暦の3月21日に合わせて大師祭が開かれている。

 江戸後期、宮野浦地区で疫病や火災の発生が続いたことから、京阪地方との交易で富を得ていた地元の中野忠之丞の発心により1819年、四国八十八ケ所の土と延岡で彫られた石仏が同地区に搬入されたといわれている。

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