知事、スピード感持った対策を

本紙掲載日：2020-04-09

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講堂で十分な隙間を空けて開かれた第７回の県対策本部会議（８日、県庁）

新型コロナ県内状況－県感染症対策本部

◆発生初期→移行期への寸前

　県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議は８日、県庁講堂で７回目の会合を開いた。

　県内の感染状況を発生初期のフェーズ０、移行期のフェーズ１、まん延期のフェーズ２の三つに分け、その中で現在は発生初期の０から移行期１へ移る寸前と確認。今後の医療体制確保に向けた取り組みや緊急経済対策などについて総合的に議論した。

　本部長の河野知事は「問題意識を共有しながら、県民の不安に対応。医療機関とより密接な連携を図り、スピード感を持った対策を。県庁機能の維持にも努めていきたい」と総括した。

　各部からそれぞれ報告があった。

◆マスク２０万枚を高齢者施設に配布

　福祉保健部は重症化リスクが高い高齢者が利用する県内の高齢者施設（約３１００施設）にマスク２０万枚を配布する。

　同部によると、医療機関に対しては、国から県を通じ順次配布。高齢者施設はマスク不足が切迫していると、市町村からの要望もあり、県による一括購入を決めた。

　１０日以降、市町村を通じて、老人ホームや通所・訪問介護施設などに順次配布する。

◆軽症者の宿泊施設５０室を宮崎市内に確保

　福祉保健部は、宮崎市内の民間宿泊施設１棟を、軽症者の宿泊療養施設として確保した。

　同部によると、１室にベッド、トイレ、浴室を備えた約５０室。主に、医療機関から回復期の患者を移送することを想定しているという。

　看護師か、保健師が常駐し、汚染リスクがあるエリアでは県職員が対応に当たる。今月下旬以降の受け入れを想定し、職員態勢やマニュアルなどの準備を進めている。

　また、協力医療機関の入院病床も宮崎市内で２５床を新たに確保したと報告。今後、宮崎市以外でも感染状況などに応じて、病床や宿泊施設の確保に努めるとした。

◆自宅待機の教職員１０６人－７都府県に滞在歴

　県教委は３月２３日から今月６日の間に、県立学校の教職員１０６人が指定７都府県に滞在していたことから、自宅待機していると報告した。滞在の理由の多くは子どもの進学の準備などという。

　６日に県内での感染者増加と、学校再開に向け、始業式までに全教職員に調査した。自宅待機は、滞在最終日の翌日から２週間が目安。８日現在、教育活動に影響が出ている学校はないという。

◆実情踏まえ機動的な緊急経済対策図る

　総合政策部は、国の施策を基にした緊急経済対策の方向性を報告した。

　①県民の命と健康を守る対策②県内経済の実情を踏まえた効果的な施策③各フェーズに応じた機動的な対応―を三つの柱として、感染収束をめどに、状況に応じた対策を打ち出す。

　同部によると、段階は緊急支援フェーズとＶ字回復フェーズの二つ。

　緊急支援フェーズで国の制度などを活用し、雇用の維持、事業の継続、生活困窮者の支援や飲食・サービス、観光など落ち込みが著しい分野の下支えを行う。

　また、地産地消・応援消費により地域経済の維持を図りながら、収束後を見据えた投資や取り組みを支援していく。

　収束後には、官民を挙げたキャンペーンや大規模な支援策を展開。感染収束国・地域を主とした輸出やインバウンドの強化を進める。収束を前に、将来を見据えたリモート化、デジタル化の推進、生産拠点の国内回帰への対応を図っていく。

　渡邊浩司総合政策部長は国の緊急経済対策を示しながら、「県の実情に応じて、国の施策の上乗せ、横出し、隙間を埋める施策など、本県独自の取り組みを構築していきたい」と語った。