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1枚 300円 |
LL サイズ
(12.7×17.8センチ) |
1枚 500円 |
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1枚 1,200円
(ラミネート加工は300円追加) |
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コラボで生まれた延岡の美味
◆生産者・吉玉千代子さん×料理人・冨永淳一さん
(吉玉畜産) (エンシティホテル延岡調理部総料理長)
「延岡よっとんのラタトゥイユ入りミートローフ]
◆生産者とつながり、地産地消(料理人・冨永淳一さん)
年間を通してさまざまな祝賀会や会合が開かれ、延岡市で合宿するプロスポーツチームなどの宿泊にも利用される「エンシティホテル延岡」=同市紺屋町=。そこで、総料理長を務めているのが冨永淳一さん(64)だ。
2018年4月、ホテルのリニューアルオープンを機に着任した。
当初から意識しているのが地元の食材を使うこと。ホテル内のレストラン「一木一草」では、毎月メニューを更新し、異なる地域の食材を生かした料理を出す。期間中に生産者とつながりができ、その後も取引が続くこともあるという。「生産者とつながり、地産地消を進めたい」との思いは強く、料理長が直接、生産者にコンタクトを取ることもある。
国富町で生まれ育った。家はタバコ農家。夏場は日が暮れるのが遅く、午後8時ごろまで両親は帰ってこない。3人きょうだいの長男だった冨永さんは「自分で作らんと誰も食わせてくれん」と、10歳ごろから簡単な食事を作るようになった。この経験が、料理の道に進むきっかけとなる。
調理師になろうと決めていた中学時代、遠足を前に、担任の先生から「調理師になるんだったら、弁当を作ってみたら」と声を掛けられた。のり巻きを作って持参し、先生に食べさせると褒められた。「それもあって、今の仕事を選んだのかなって思う」。宮崎実業(現在の日章学園)高校調理科を卒業後、大阪のホテルに就職し、フレンチを学んだ。
30代半ばで移った宮崎市内のホテルでは、本場フランスに留学する研修制度があった。選抜試験では、大阪時代に2年ほど学んだフランス語が生きた。40歳にして初の海外留学だった。
現地では5カ月間、星で格付けする「ミシュランガイド」で一つ星を獲得したレストランで働き、技術を学んだ。さまざまな国から若い調理師が学びに来ており、「将来一緒に店をやれればいいね」と夢を語り合った。
帰国後は一つのレストランを任され、それまで経験がなかったデザートにも挑戦するようになった。「責任のある仕事ができるようになった」と感じ、自信が付いた。その後、同じ系列のホテルで料理長を務めるなど経験を積んだ。
「ラタトゥイユ」とは、フランスに昔からある家庭料理で、野菜のトマト煮込み。角切りにした県産ズッキーニなどの野菜を煮込んで作ったものを、ベーコンと「延岡よっとん」のミンチで巻き込み、オーブンで焼く。「おうちdeタパス」料理教室の後、「一木一草」でも提供すると好評だったという。
「簡単に作れるようにレシピを考えた。家で作って、焼きたてを食べてほしい」と話した。
◆EM菌で元気な豚を育てる(生産者・吉玉千代子さん)
「豚肉でみんなを笑顔にする」。経営理念を書いた看板を道沿いに掲げる「吉玉畜産」=延岡市柚木町=。ここで家族と共に約800匹の豚を養うのが吉玉千代子さん(66)だ。
飼育した豚肉は、「延岡よっとん」の名称で同所にある直売所や県内各地のスーパーなどに並ぶ。約80種類の有用な微生物が共存しているという「EM菌」を餌に混ぜ、薬に頼らずに育てる。
市外から嫁いで来た頃は、「何のこだわりもない普通の生産者」だった。転機となったのは、当時17歳だった長女が膠原(こうげん)病を発症したこと。医師からは「一生付き合っていかないといけない」と言われた。
そんな時、母親に勧められ、薬の量を減らしつつ、自然に生える薬草などを主体に作った青汁を毎日飲ませた。続けるうちに肝臓などの数値が改善。発症から丸3年で薬が要らないほどに回復したという。
同じ頃に出合ったのが「豚舎の臭いが何とかなる」と勧められたEM菌。豚舎は、旭化成陸上部の選手がよく走る道沿いにあり、いつも気になっていた。さまざまな臭い消しを使用したが、軽減できなかったという。
試しにEM菌を使うと臭いは薄れ、効果が持続した。化学的に作られた薬ではないことが千代子さんの価値観とも一致した。EM菌を餌に混ぜた飼育につながった。
EM菌と出合うまでは一般的な餌を与えていた。しかし「体は食べる物でできていく。必要でない物は食べさせずに、元気でおいしい豚を育てたい」と、今は自然由来の餌にこだわる。
専門機関で肉質を分析した結果、高い評価を得たという。EM菌には抗酸化作用があるため、鮮度が保たれる。嫌な臭いがなく、軟らかくジューシーなのが特長だ。
こうして出来上がった「延岡よっとん」。長男の勇作社長(37)は「豚肉は両親が作り上げたもの。自分たちは広めるのが仕事」と、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した発信に力を入れる。
現在、東京や大阪など県外のレストランとも契約しており、毎週のように新鮮な肉を発送する。ふるさと納税の返礼品に選ぶリピーターも増えた。納税者から届く「おいしい。また楽しみにしています」の声を「ありがたい」と喜んでいる。
昨年4月からは6次産業にも着手。肉まん、メンチカツ、コロッケの販売を始めた。「少しずつ前進していこう」と次なる商品も思案中。肉まんの具材となる野菜やみそも、自分たちが育てた物を使うなどこだわっている。
「おうちdeタパス」料理教室当日、千代子さんは会場に足を運び、参加者と直接交流した。冨永さんの一流の技に「初めて食べる味だった。パーティーなど人を呼ぶ時に喜ばれると思う」と感想。後日、「おいしい」と肉を買いに来た人もいた。
「少しでも豚肉を食べてもらおう」と、店頭にはレシピも数種類用意している。丹精込めて作った肉は、塩だけで焼いてももちろんおいしい。新玉ネギが出回るこの時期は、ゆでた豚肉と野菜のマリネもお薦めだという。