各業種から切実な声

県経済団体からの要望

（１面からのつづき）
県が聴取した各団体の主な現状、県や国への要望等は次の通り。

【県医師会】
医療機関でもマスクや消毒液が入手困難になっている。感染対策に必要な資材の優先供給、ＰＣＲ検査体制の強化をしてほしい。また、「発熱や呼吸器症状がある人は、直接医療機関に入るのは絶対に避け、電話やインターホンで知らせる」「（感染の）疑いがある人は、保健所に電話する」等の広報を。

【県歯科医師会】
マスク、消毒用アルコール等の医療機関への安定供給、感染者発生に伴う施設消毒費用や経過観察中の休診に対する補償が必要。

【県農業協同組合中央会】
外食等の減少で、農畜産物の消費量や農家所得が減少。特に和牛枝肉価格が大幅に低迷している。また中国からの生産資材等の供給不足への懸念がある。学校の一斉休校に伴う農家従業員の休暇取得で、労働力不足が深刻。

【県経済農業協同組合連合会】
イベント等の自粛、学校給食休止によって、果実や花き類などの相場低迷、牛乳の加工用振り替えによる乳価清算への影響などが出ている。農業者の（感染）発生時における営農継続の支援、マスク・アルコール消毒剤等の安定供給、長期化した場合の休業補償等の支援策が必要。

【県漁業協同組合連合会】
飲食店のキャンセルが相次ぎ、水産物の需要が３、４割減少。現地工場の休止で中国製漁網の納品が遅延している。県水産物の消費拡大、漁業者への支援を。

【県森林組合連合会】
原木の輸出が停滞、資材不足により建築施工が遅れていることから、木材価格の下落が懸念される。スギ原木等の生産調整を行うため、国有林の素材販売について出荷調整等をしてほしい。

【県商工会議所連合会】
製造・建設業は、取引先キャンセルによる出荷停止、資材等の入手困難な状況が見られる。資金繰り支援への柔軟な対応、雇用調整助成金の相談対応の充実強化、申請が容易な中小企業向け補助金創設の検討を。

【県観光協会】
２６市町村で１４２のイベントが中止や延期、期間短縮、１５市町村の５３施設が休止・休館（３月９日現在）。マスクや消毒液が入手できない現状の改善、事態収束に備えて大規模かつ長期的な観光振興策の検討を。

【県商工会連合会】
全業種で売り上げのめどが立たない状況で資金繰りが急激に悪化している。高齢経営者の中には廃業を検討している人もいる。資金繰りや在庫の解消、雇用維持の対策、店舗用のマスクや消毒液等の配布が必要。

【県中小企業団体中央会】
各業種で売り上げ低迷、輸出停滞、注文キャンセル、マスク等の入手困難といった状況が見られる。理事会や総会の延期により決算関係書類や定款変更等の県への提出が遅れた場合の配慮を。

【県建設業協会】
住宅設備等の納品が遅れ、工事が停滞している。工事を一時中止できるよう指導を。