学力向上など目指し協定

延岡市教委と宮大教育学部

　延岡市教育委員会と宮崎大学教育学部による「連携協力に関する協定書」の締結式が１０日、宮崎市の同学部であった。小中学校の取り組みを大学が調査・分析して、教員の資質向上や児童生徒の学力向上などを目指す。

　両者はこれまでも、大学での教員研修や学校の授業研究、学生の教育実習などで連携してきたが、協定により、大学が身近にある県央地区並みに活発化させたい考え。


　市教委の研究プロジェクトや教員研修を行う場合、大学は調査研究や講師派遣などで協力。大学の調査研究や出版プロジェクト、教員研修などに対して、市教委は求めに応じて参画し、講師を派遣する―ことなどを申し合わせた。

　市教委は２０１７年度から全ての市立小学校２７校で、読み書き計算の反復練習など基礎学力向上を狙った「蔭山メソッド」を導入。当面の取り組みとして、大学側がその効果を調査・分析する。


　具体的には、数校を選んで、学力調査だけでなく、授業の視察、教員へのヒアリングなど多面的に分析。学校や教員ごとに異なる学習の取り組みや指導法に注目し、効果や課題点まで洗い出していくという。

　締結式に臨んだ市教委の澤野幸司教育長は、「いろんな情報共有を図り、子どもにどう有効か課題を探りながら、施策に反映させたい」と抱負。同大教育学部の藤井良宜学部長も、「大学として、県内の子どもの育成のため、延岡にも力を入れていきたい。教員を目指す学生を身近に感じてもらうことで、先生になりたいという子どもも増やしていければ」と期待を込めた。