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延岡島野浦学園・雨の中のお別れ−28日離任式

本紙掲載日:2024-03-28
1面
紙テープを手に送り出される教職員ら
別れを惜しみ、記念撮影

「先生泣いてる」「涙じゃなくて雨よ!」

 延岡市島浦町で28日、延岡市立島野浦学園(中原伸一校長、19人)の離任式があった。教職員5人が島を離れることになり、同校での式を終えて移動した宇治港のフェリー乗り場で、最後の別れを惜しんだ。

 フェリーが出港するまでのわずかな時間、離任する教職員たちは、続々と集まった約70人の児童生徒や島民らに囲まれ、花束などを手渡されていた。

 子どもたちは恩師との別れを前に、目に涙をためながらも笑顔で「先生ありがとう」「また来てね」と言葉を掛けた。

 3年間の勤務中に同校の開校を経験した大田川真志教諭(36)は「生徒はもちろん、島の皆さんにもたくさん助けていただいて、温かさを感じる日々でした。寂しい気持ちでいっぱい」。島での生活を振り返り、「放課後、一緒に釣りや野球をしたりと生徒と距離が近く、この仕事の良さを実感する貴重な3年間を過ごしました」とニッコリ。

 松岡美空さん(14)は「毎日楽しい話をしてくれる笑顔の絶えない先生で、とてもお世話になりました。先生たちがいなくなってしまうのは寂しいけれど、『離れても大丈夫だ』と安心してもらえるように頑張ります」。

 木津琉翔さん(10)は「昼休みにいっぱい遊びました。先生たちがいなくなるのは悲しい。また島に来てくれた時には一緒に遊びたい」と話した。

 出港時間が近づくと、島の人たちの寂しさが伝わったのか雨が降り始め、毎年恒例となっている見送りの紙テープはびっしょり。それでも出港ギリギリまで「先生泣いてる」「涙じゃなくて雨よ!」と冗談交じりに言葉を交わした。

 フェリーがゆっくりと岸辺を離れると、子どもたちは「先生!ありがとう!」と叫び、小さくなっていく教職員らが見えなくなるまで手を振り続けていた。

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