１年生がウオークラリーで地域巡る

本紙掲載日：2024-03-27

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日髙家住宅（国重要文化財）など見学－延岡・土々呂中

　延岡市立土々呂中学校（石井豊久校長、３８１人）の１年生は２２日、地元の文化財などを巡るウオークラリーを行った。「ぶり御殿」の愛称で知られる国重要文化財「日髙家住宅」（赤水町）では、ブリの画期的漁法「日髙式大敷網」を発明、成功を収めた日髙亀市翁の功績などを学んだ。

　日髙家住宅は、亀市翁が１８９６（明治２９）年に建築、大正初期にかけて増築された近代和風住宅。３４４８・７８平方メートルの土地と、そこに立つ木造瓦ぶき２階建ての主屋（延べ床面積７７１・８６平方メートル）と薫製室（１３・５２平方メートル）が昨年９月、国重要文化財の指定を受けている。

　同住宅を訪れた生徒は、市教育委員会文化財・市史編さん課の職員らの案内で敷地内の見どころを見学。明治時代のかまどのある台所や天井に洋風の意匠が盛り込まれた浴室、大崩山や愛宕山などを借景にした庭園、熱に強いからみれんがを下層部分に用いた薫製室などを見て回った。

　職員は、亀市翁の功績を「当時は一本釣りしかできなかったブリを網で大量に捕る方法を研究し、漁業界に革命を及ぼした」、からみれんがについては「内藤家に関連する施設に使われている。壁などに用いられるが、構造物に使用されるのは珍しい」などと説明。生徒は聞き入っていた。

　松田神楽さん（１３）は「自分の住む地域にこんなに歴史ある大きな屋敷が存在することを知った。いろんな陶器などがあり、薫製室は珍しかった」。日髙家６代目当主で、亀市翁のやしゃごに当たる保彦さんは「郷土の先賢が行った功績や漁業に与えた影響などを知ってほしい」と話していた。

　生徒は同日、ウオークラリーコースで清掃活動を行いながら、日髙家住宅と三松公園、鯛名神社、「震洋」格納壕（ごう）跡、赤水神社の計５カ所のポイントを巡った。

　日髙家住宅は、国の重要文化財指定を受けた同住宅の歴史や歴史や先賢の功績などを広く知ってもらおうと、無料見学会などを行っている。問い合わせは市教育委員会文化財・市史編さん課（℡延岡２２・７０４７）。