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観音寺−久峩経二住職・康陽副住職

本紙掲載日:2023-06-06
8面

仏教の教え、三十一文字で唱える

◆御詠歌、父子で伝統継承

 「心の闇を照らします」「南無帰依法と唱えよや」。仏教の教えを五・七・五・七・七(三十一文字=みそひともじ)の詩にし、節をつけて唱える御詠歌。日本伝統芸能の一つであり、その美しい響きと深い意味が多くの人々の心を打つ。美郷町南郷、観音寺の久峩経二住職(73)は、県内に曹洞宗の御詠歌「梅花流詠讃歌」を広めた第一人者。現在は、息子の康陽副住職(45)と共に伝統継承活動に取り組んでいる。

◆曹洞宗・詠歌と和讃の「梅花流詠讃歌」−経二住職・我流で始め、県内に普及

 御詠歌は五・七・五・七・七の文字から構成された歌で、讃仏歌とも言われる。和歌に節を付け、「鈴(れい)」と「鉦(しょう)」という二つの法具を鳴らしながら唱える。

 御詠歌の中でも、三十一文字の和歌からなるものは詠歌、七・五や五・七調の歌からなるものは和讃(わさん)と呼ばれる。寺によって流派があり、曹洞宗では詠歌と和讃を合わせた梅花流詠讃歌として1954年に誕生した。

 経二住職は81年、兄で慈眼禅寺(延岡市北方町曽木)の東堂、正意さん(92)の勧めで梅花流の門を叩いた。当時、県内では通夜や葬儀の際に御詠歌を唱える文化はなく、師匠もいなかったため、録音テープを聴きながら我流で始めた。

 87年から宗務庁の師範養成所(東京都)へ入所。最初に披露した際は、独学ゆえ音程やリズムが曖昧だったため「けちょんけっちょんに言われ、修正された」。そして「必ず特別派遣師範(特派師範)になって戻ってくる」と決意したという。

 特派師範は、現在、全国各地で梅花流を学ぶ檀信徒約9万4500人、その指導者に当たる師範(住職ら)約6000人と寺院婦人の「詠範」約5000人を指導する立場。各県の持ち場を任され、指導と普及活動を行う。

 経典に載る約100曲すべてを覚えるのはもちろん、御詠歌特有の節回しを習得するため、移動の車内で練習するなど常に唱え続けた。

 研修員を経て、90年に特派師範になった。以降も研さんに励み、91年には大本山の命により詠讃歌CDの吹き込みを担当。95年にはハワイに派遣されるなど2008年まで特派師範として活動した。

 その後、検定員(試験官)を経て、20年には特派師範の上層部である専門員(全国8人)に就任。翌年には全国で唯一の主任専門委員となり、上級検定委員も兼務した。

 その間、地元の師範育成にも尽力。梅花流を始めた当初、葬儀で御詠歌を唱えることに難色を示す人や批判する人もいたが、「今は御詠歌を取り入れている寺は多い。ないと物足りないと言ってくださる方もいる」。現在、宮崎県は、檀家(だんか)数の割合に対し、全国で最多の上流師範が活動するまでになった。

 専門委員制度は今年の3月で廃止となったが「主任になれたのは県内の寺の住職や檀信徒のおかげ。私の師匠は皆さんだと思っている」と感謝した。

◆康陽副住職−父の背中を追い特派師範へ

 経二住職の豊富な経験と知識は、康陽副住職の成長に大きな影響を与えた。「物心ついた時から御詠歌があった」と康陽副住職。父の背中を追い、副住職となった15年前から梅花流を始めた。

 主任専門員である父と比べられることにプレッシャーもあったが、唱えを欠かすことなく続け、20年には2級師範の資格を取得。今年4月に特派師範の命を受けた。

 持ち回りは佐賀県と鳥取県。10月、11月には初の巡回講習を控えている。そのほか、観音寺をはじめ日向市、延岡市の寺での講習も経二住職から徐々に引き継いでいるという。

 康陽副住職は「まずは特派師範として、御詠歌を通して1人でも多くの人に仏教の教えを伝えたい」。経二住職は息子の歌を「強弱や感情移入がまだまだ」とした上で「全国の檀信徒の皆さんに親しみのある分かりやすい指導をして御詠歌の普及に努めてほしい」と期待。2人の継承活動はこれからも続く。

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