学びの成果、観客前で発表

五ケ瀬中で文化発表会

　五ケ瀬町立五ケ瀬中学校（国生尚校長、７２人）の文化発表会はこのほど、同校であった。「ＳＥＮＤＶＯＩＣＥ〜個性芽生える友情芽生える笑顔咲く」をテーマに、学科発表や伝統芸能の披露、クラスごとの発表など豊富なプログラムで盛り上がった。

　３年ぶりに観客を入れての開催。より多くの学びの成果を見てもらおうと学科発表の科目を増やし、地域住民らの声から「棒術」と「薙刀（なぎなた）」の伝統芸能披露を追加するなどして行った。

　開会式で、前期生徒会長の杉村萌花さん（１５）＝３年＝が「大変なことやクラスの壁を乗り越えてきたことに自信を持ち、町全体が明るい笑顔であふれるよう頑張りましょう」とあいさつ。

　学科発表では英語科が暗唱と弁論、理科が環境保全などに関する自由研究、国語科がお薦めの本を紹介し合い、最も読みたい本を聞き手が投票で決める「ビブリオバトル」、音楽科の代表生徒７人が箏曲「さくらさくら」とそれぞれが創作した曲を同時に奏でる「浄専寺しだれ桜狂い咲き」を発表した。

　続けて、鞍岡地区に伝わる大車流棒術と薙刀、桑野内と三ケ所地区に受け継がれる団七踊りを全員で披露。同じく全校生徒による混声９部合唱「ふるさと」と学年別自由曲の美しいコーラスが会場を包んだ。

　最後に３年生が、演劇「戦争を知らない子どもたち」を上演。ひょんなことから入れ替わってしまった戦時下の弱虫少年健太と勉強嫌いの現代っ子由希が互いの時代を過ごしながら、平和な未来へ懸ける決意や今ある平和の尊さを感じ、成長する物語を熱演した。

　３年生の保護者の甲斐時男さん（６２）＝同町桑野内＝は「経験したことのない戦争を中学生がどう表現するか楽しみに見ていた。（子どもが）最後の年に鑑賞できて良かった」。

　実行委員長の甲斐彩香さん（１５）＝３年＝は「発表はとても緊張したけど、みんなで協力して取り組んできた成果を披露できて良かった。五ケ瀬中学校の歴史の一ページを創れたと思います」とほほ笑んだ。