認知症高齢者徘徊２ケースを想定−捜索訓練
本紙掲載日：2022-10-31
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古江、市振−地域を挙げ取り組む−延岡市北浦町
認知症高齢者の徘徊（はいかい）を想定した捜索模擬訓練が３０日、延岡市北浦町の古江、市振両地区で行われ、住民や消防団員など約５０人が参加した。
認知症に関する知識を普及させることで、認知症の高齢者を地域で支え、安心して暮らせるまちにしようと、年１回実施している。今年で１１年目。
今回は、市振地区の親戚宅に来ていた市内の８４歳の高齢女性が早朝、散歩に出掛けたまま行方が分からなくなったとの想定。また、古江地区に住む８４歳の認知症の高齢男性をデイサービスセンターが迎えに行ったところ、姿が見えないとの想定で行われた。
住民や消防団員らが９班に分かれ、顔写真入りの「たずねびと捜索票」を手に、徘徊役の高齢者２人を捜索。担当エリアを徒歩で回りながら住民に情報を聞くなどし、開始から２５分後に女性を市振地区内で、４２分後に男性を古江地区内でそれぞれ発見、保護した。
模擬訓練の前には、認知症について理解を深めるための講話が北浦総合支所で行われ、接する時の心構えや具体的な対応の仕方などの説明があった。
北浦海岸地区社会福祉協議会によると、北浦町は少子高齢化の進行で高齢化率が４４％を上回り、認知症高齢者の見守りにも支障をきたしているという。
同協議会の日�盥�道会長は「捜索は初動が大事だが、地域の力がなければ難しい。住民の方々の点が線となり、最終的に面となるような活動にしていきたい」と話していた。