希少植物じっくり観察

本紙掲載日：2022-10-17

9面

黒木課長の説明を受けながら希少植物を観察する参加者（家田湿原やまんはな橋付近）

説明聞きながら家田湿原を散策－延岡市北川町

　２０１７年に登録された祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク（生物圏保存地域）エリアの一部になる延岡市北川町家田湿原（北川湿原）で８日、絶滅危惧種の動植物などが自生する環境を観察しようと市内外から９人が参加し、川沿いの遊歩道約１キロを散策した。県総合博物館（岩切喜郎館長）主催。

　講師は同館学芸課の黒木秀一課長と普及担当の岩切勝彦副主幹。黄色いカップ状の花が特徴的で、県絶滅危惧Ⅱ類、環境省絶滅危惧Ⅱ類に指定されているサイゴクヒメコウホネ（西国姫河骨）や、辛い蓼（たで）を食べる虫もあるように、人の好みもさまざまであることを意味することわざ「蓼食う虫も好き好き」の由来であるヤナギタデなどを黒木課長が分かりやすく解説した。

　参加者は説明を受けながら、持参したカメラで撮影したり、ポケットルーペを使ってヤノネグサの繊毛を見たりなど、それぞれで観察会を楽しんだ。

　都城市から参加した黒木ひとみさん（６９）は「実際に（植物などを）見ないと写真だけでは分からない。黒木先生の説明と一緒に観察するととても分かりやすい。講座も珍しくなかなか抽選に当たらないので、今回参加できて良かった」と話した。

　家田湿原は川坂湿原とともに総称して「北川湿原」と呼ばれ、絶滅危惧種の動植物が７０種類以上生息し国内でも学術的に極めて価値の高い湿原。また、同湿原は年中冷たい川が流れていることから北方系の寒い地方でしか自生しない植物なども観察できることから「希少植物の宝庫」と呼ばれている。

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