「ひなたＷＯＭＡＮ」（９８）
本紙掲載日：2022-10-04
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健康パンｃａｆｅ・クローバー（日之影町）新田範美さん
◆こだわりランチどうぞ
国道２１８号沿いにある「日之影元気村」で、体に優しい手作りパンをメインに、旬の野菜がたっぷりのオーガニックランチを提供する。
「パンは砂糖と油を極力控え、野菜などもふるさとの日之影産の無農薬にこだわっています。おかげさまで観光客の方々にも立ち寄っていただけるようになりました」
もともとは姉が開いたパン工房。体調面の不安からやむなく閉めることを聞き、引き継ぎを決めた。専門的な機関の手厚いサポートもあり、今年５月１日に開店にこぎ着けた。
「姉が大切にしていたお店をなくしたくありませんでした。考えたのは、パンと料理の教室を延岡で２３年間開いている経験を生かせないかということ。ただ教えるだけでなく、実際に食べてもらえる場をつくるいい機会と捉え、決断しました」
高千穂高から福岡の教員養成所に進み、小学校の先生に。充実の日々だったが、３０歳を過ぎた延岡小勤務時代に膵（すい）臓（ぞう）がんが見つかった。大手術の末に一命は取り留めたが、現場復帰はかなわなかった。
「３人目の子どもが歩き始めた頃です。入退院を繰り返す中、小学生だった真ん中の娘が家事をこなしてくれました。夫は私に対し、『お母さんの代わりは君しかいないよ』と励ましてくれました」
大病を経て思ったのは食の大切さ。専門書を読みあさるなど猛勉強。パン教室は全国組織のジャパンホームベーキングスクール（ＪＨＢＳ）の認定を受け、師範を務める。国際食学協会認定講師でもある。息抜きは夫とのドライブという。
「日之影との行き来が苦にならないほど元気になりました。安心・安全なメニューを増やしながら、少しでもふるさとの活性化に寄与できたらと思います」