興梠さん（日向市）グランドチャンピオン

本紙掲載日：2022-10-04

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第３９回正調刈干切唄全国大会－高千穂

◆伸びのある歌声披露

　「ここの山の刈干しゃすんだヨー明日は田んぼで稲刈ろかヨー」。高千穂発祥の民謡「刈干切唄」で競う「第３９回正調刈干切唄全国大会」は２日、高千穂町武道館であり、県内外の出場者１５４人が伸びのある歌声を披露した。同大会実行委員会（会長・甲斐宗之町長）主催。

　新型コロナウイルスの影響により３年ぶりの開催。今年は男女別に「成年の部」「熟年の部」「高年の部」の６部門と「少年少女・高学年の部」「同・低学年の部」の２部門が行われた。

　同町では、冬に家畜の餌とする野草を大鎌で刈って乾燥させた「とうび」を貯蔵する風習がある。刈干切唄はその作業中に歌われる労働歌。日本を代表する民謡の一つとして、多くの人に親しまれている。

　手拭いを頭に巻き、野良着や足袋を身に着けるなどしてステージに立った出場者たちは、とうびの張り子を前に歌唱。尺八の音色に合わせて抑揚やビブラートを響かせ、歌声を聞いた他の出場者と一般客からは何度も拍手が湧いた。

　日本民謡協会（霜鳥秋則理事長）理事らの審査後、少年少女の部を除く６部門の優勝者によるグランドチャンピオン決定戦があり、男性成年の部の興梠幸大さん（３６）＝日向市＝がグランドチャンピオンに輝いた。日本民謡協会長賞は興梠さんと女性高年の部で優勝した大坪多恵子さん（７６）＝日向市＝が受賞した。

　今回がおそらく７回目の出場という興梠さんは、念願のグランドチャンピオン賞獲得に笑顔。「高千穂ならではの風景を思い浮かべながら、それが聞き手にも伝わるよう心掛けた。うれしすぎます」と喜んだ。

　各部門の上位３人と敢闘賞は次の通り。

【男性・成年の部】
①興梠幸大（日向市）②吉野晃聡（大分県日田市）③芳賀寿之（日向市）▽敢闘賞＝山田宜文（門川町）

【同・熟年の部】
①児玉宝市（日向市）②内山弘（川南町）③酒井繁登（熊本県大津町）▽敢闘賞＝時枝憲幸（大分県宇佐市）

【同・高年の部】
①吉田紘治（大分県別府市）②佐保一義（同佐伯市）③福村芳智（熊本県天草市）▽敢闘賞＝田村孝（木城町）

【女性・成年の部】
①矢野奈々江（都城市）②梅野リ菜（宮崎市）③河野真寿美（都農町）▽敢闘賞＝飯干好美（高千穂町）

【同・熟年の部】
①山口素江（西都市）②宮森恵子（日向市）③高見春代（熊本県大津町）▽敢闘賞＝木原和枝（延岡市）

【同・高年の部】
①大坪多恵子（日向市）②渕英子（大分県大分市）③赤野アグル（日向市）▽敢闘賞＝別府由美子（同）

【少年少女・低学年の部】
①太田有紀（宮崎市）②佐藤元侍（高原町）③飯干大真（高千穂町）▽敢闘賞＝郡山響生（高原町）

【同・高学年の部】
①河野万結（都農町）②太田衛志（宮崎市）③飯干彩有（高千穂町）▽敢闘賞＝太田佳歩（宮崎市）