本紙掲載日:2022-07-15
(1面)

巨大地震に備え−支援物資など備蓄拠点整備へ

県防災会議第1回物資拠点整備部会

専門的に協議−県防災会議に部会設置

 県は、南海トラフ巨大地震など大規模災害に備え、支援物資などの備蓄拠点施設を新たに整備する方針を固めた。昨年度に実施した調査の結果、避難者数と物資供給対象者の増加で必要な備蓄数量が増える一方、保管場所が不足するためで、今年度中に整備計画をまとめたい考え。

 県防災庁舎で24日に開かれた第1回県防災会議物資拠点整備部会で、県が調査概要や課題、対応案などを示し、専門委員らが審議。既存の備蓄場所を補完的に活用しながら、災害リスクが少なく、道路アクセス良好で、県全域をカバーできる場所などに物資拠点を整備する方針を了承した。

 県は昨年度、大規模災害の発生に備え、発災後3日目までの初動期に物資を効率的に避難所に供給できるよう、備蓄場所や備蓄数量などの把握を目的とした「大規模災害時における物資の安定供給調査」を実施。

 本県の南海トラフ巨大地震の2019年被害想定の避難者数に車中泊避難者を加味した結果、物資供給対象数が増える一方で、事業所の食品ロスを減らす取り組みなどに伴う流通備蓄の減少で、県が確保すべき現物備蓄量も増えた。

◆発生3日間、県の物資で対応

 算定では、食料は7万7900食から26万4000食に、携帯・簡易トイレは61万回分から113万1300回分の増が必要。県内8カ所の保管場所ではスペース不足に加え、専用施設ではないため効率的な搬入・搬出が困難といった課題も複数指摘されていた。

 整備の方向性の新施設は、発災後3日目までの初動期に物資に効率的に供給するほか、4日目以降の国から供給される支援物資の受け入れ、市町村への地域内輸送拠点や避難所に物資を送り出す広域物資輸送拠点としての機能も持たせる方針。

 また、トラックが施設に接岸できるプラットホームや、フォークリフトで物資を出し入れできる環境を整えたい考えで、床面積は2千〜3千平方メートルを見込む。備蓄拠点の場所は、利便性などを考慮して用地を選定するという。次回の部会は施設整備計画などについて協議する予定。

 横山直樹県危機管理統括監はあいさつで「昨年度、災害用備蓄物資に関して調査を行い、備蓄場所の不足や効率的な搬出機能などに課題があることが明らかになった。状況を踏まえ、県の備蓄物資の拠点整備に関し、専門家の意見を聞き、問題解決の方針を決定したい」と話した。

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