本紙掲載日:2022-05-11
(1面)

薬草の里づくり

ハーブ・カモミール手摘みを体験

◆日向市東郷町・薬剤師のグループ

 日向市・東臼杵郡薬剤師会の薬剤師らでつくる市民グループ「やくそう会」(甲斐晃弘代表)は8日、同市東郷町坪谷でハーブの一種「カモミール」の収穫を体験した。参加者は、カモミールの手摘みに挑戦し、甘い爽やかな香りと、周辺に広がる大自然を満喫した。

 同所のカモミールは、「薬草の里づくり」に取り組む東郷まちづくり協議会(鈴野淺夫会長)が、牧水公園近くにあるほ場で地域の特産品化を目指し栽培。今回収穫したのは、昨年12月に植えたジャーマンカモミール。作付け面積をこれまでの4倍に拡大し、約10アールの畑に植えた600本の苗が咲いたもので、先月下旬から収穫を始めた。

 同協議会が加工したカモミールティーを同薬剤師会の保険薬局で販売したことをきっかけに、今回、収穫を通して生産者と触れ合い、その苦労を体験してもらおうと、やくそう会が初めて企画した。

 この日は、やくそう会のメンバーや、その家族のほか、同協議会の会員ら約40人が参加。鈴野会長は「収穫量の確保が課題。一輪一輪、手摘みするので収穫に手間がかかる。皆さんの協力が大きな力になる」とあいさつ。甲斐会長は「生産者の苦労を体験し、消費拡大に向けて盛り上げていきたい。一生懸命摘んで貢献しよう」と呼び掛けた。

 参加者は、同協議会の役員から摘み方の説明を受けた後、早速、収穫に取りかかった。畑には、真っ白な花を咲かせたカモミールが満開。参加者は慎重に花を摘みながら、収穫したばかりのカモミールの爽やかな香り、大自然に囲まれた開放感を楽しんだ。

 母親の河原絵美さん、妹の清良さん(草川小3年)と参加した晃清さん(同5年)=門川町庵川西=は、「カモミールを初めて見た。きれいな花で一生懸命摘んだ。カモミールティーなど、みんなの役に立ってほしい」と話した。

 同協議会によると、この日の収穫量は約8キロ。収穫は今月中旬まで続き、100キログラムを目標に取り組むという。収穫されたカモミールは、同協議会が販売するカモミールティーや、カモミール入り焼きドーナツのほか、イオン九州が昨年から販売を始めたカモミールジンなどに利用される。

◆カモミール

 カモミールは、キク科の耐寒性一年草。心身をリラックスさせるハーブとして知られ、軽やかなリンゴにも似た香りが楽しめる。ヨーロッパでは「母の薬草」と呼ばれ、ドイツでは薬草茶として治療目的での使用が承認されている。

 その他にも、入浴剤、うがい薬などに用いられている。

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