本紙掲載日:2023-05-11
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半導体、デジタル産業−集積推進へ

デジタル産業の集積を進めるため延岡市が設置した戦略協議会

延岡市が戦略協議会設置−委員が初会合

 延岡市は8日、有識者らで構成する「デジタル産業の延岡での集積を進めるための戦略協議会」を設置した。半導体受託製造の世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)が隣県の熊本に進出する中、半導体やデジタル産業に関する企業誘致や人材育成などを進め、市内経済の振興を図る。

 熊本でTSMCが工場建設を進めていることなどに加え、製造業の国内回帰が始まりつつある潮流を捉え、有識者らの意見を施策に反映させるのが狙い。経済産業省半導体デジタル産業戦略検討会議の有識者メンバーで、東京理科大大学院教授の若林秀樹氏のほか、同市の経済政策アドバイザー、九州経済産業局、九州総合通信局、県、市内の企業関係者ら10人の委員で構成している。

 市役所で同日行われた第1回意見交換会では、市が市内の製造業やIT関連企業を取り巻く現状などを説明。企業城下町として新しい技術の受容性があることや、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金に九州で最も多く事業が採択されていることなどを挙げた。

 市工業振興課は「これから協議会で出された意見を参考に、施策に反映させていきたい」と話している。

 同日は会合に先立ち、若林氏による講演「デジタル列島進化論〜延岡のケーススタディ日本列島改造論から50年」が市役所講堂で開かれ、企業や金融機関、行政の関係者や市民ら約60人が参加。若林氏は、延岡の注目点に「東九州のクロスポイント」「旭化成の知的人的資産」「政府が注目するGX、DX」を挙げ、「延岡から新しいイノベーションを起こしてほしい」と語った。

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