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「もう、住まん」悲痛な声−諸塚村ルポ

本紙掲載日:2022-09-24
1面

濁流に再び襲われた

◆ようやく、町外からの支援入る−九州つなぎ隊が活動

 台風14号の大雨などで甚大な被害を受けた諸塚村。幹線道路である国道327号が寸断されたが、地元や近隣市町村の建設業者らの迅速懸命な対応で台風が通過した翌日の19日夕には車両の通行が可能になった。23日には立岩、八重ノ平地区の孤立状態も解消、国道503号も通行できるようになるなど徐々に復旧している。一方、中心部の商店街や民家の浸水被害も激しく、消防団や村民が互いに協力しながら後片付け作業に当たっている。ただ、停電や断水が続き、依然として厳しい生活環境に置かれている。同日、今台風以降初めて現地入りした外部ボランティアに同行し活動を取材した。

 ボランティアとして訪れたのは、NPOみんなのくらしターミナルが運営する「九州つなぎ隊」で、熊本地震や西日本豪雨でも活動したメンバーなどで組織されている。

 午前9時、集合場所の村中央公民館駐車場には宮崎市や日南市、延岡市、木城町、新富町などから18人が集まっていた。NPOの代表で同隊事務局長の初鹿野聡さん=宮崎市=は、メンバーに「(浸水で)泥をかぶっていようと壊れていようと、住民の方にとっては大切な品。気遣いを大事に活動してください」と呼び掛け。現地へ向かった。

 訪れたのは、諸塚地区吐の川に1人で暮らしている日吉久さん(80)方。日吉さんは「村福祉館」に避難し無事だったが、住宅は耳川と合流する七ツ山川のそばにあり、床上まで浸水した。20日には近くの人が訪れ、泥にまみれた畳や扉などを運び出したが、以降は1人で作業ができずそのままになっていた。

 隊の到着を待っていた日吉さんは、メンバーと顔を合わせると「前は(2005年の台風14号でも被災)誰も来んかったのに…」と感極まり涙。初鹿野さんに肩を抱かれるとすぐに笑顔を見せ、家屋の状況を説明した。

 七ツ山川は耳川へと下って流れているが「家の横の広場で渦巻いて上に行った」と日吉さん。

 メンバーは、家財道具を運び出すとスコップで泥をすくい一輪車で次々に外へ。スムーズな連携作業で昼の休憩までには床上の泥出しまでが完了した。

 中央公民館で昼食を取り、日吉さん方で作業を再開。床板を剥ぎ取り、床下に入って泥をかき出したり、途中で加わった村消防団とともに破棄する家財道具をトラック積み込んだりした。

 片付いていく自宅を見て「きれいになった。うれしいわ」と喜ぶ一方、メンバーが確認のため持ち寄る写真アルバムや家財は「いらん。捨てていい」とちゅうちょなく、処理するよう頼んでいた。

 訳を聞くと「ここにはもう住まん」。2005年の台風でも浸水被害を受け、その際は片付けに1週間以上を費やしたという。再度、「もう(被害に)遭わんと思ってた…。もう、なえた」とつぶやいた。

 村社会福祉協議会によると、1人暮らしで自宅に帰ることができない高齢者が3人いるが、現在、すぐに入居できる村営住宅はない。可能となっても、被災した人たち全てが入居できる数はないという。社協の村社康浩事務局長は「当分は避難所生活になる。関わりながら一緒に今後については考えたい。久さんは諸塚が大好き。どうされるのか…」と頭を悩ませていた。

 「もう住まん」。何度も口にする言葉はメンバーにも聞こえていた。初鹿野さんは「『捨てていい』という言葉だけを、そのまま受け取らない。もちろん本当に住まない(住めない)人もいるけど、今は被害に遭った直後だから」。心中を察し、むやみに励ますことはせずに黙々と汗を流し、この日の作業は午後3時に終了した。

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