楽しいひととき届ける−黒岩小中

県立芸術劇場の音楽アウトリーチ事業

　延岡市立黒岩小中学校（佐藤欣幸校長、４４人）で１３日、県立芸術劇場の音楽アウトリーチ事業「ミュージック・シェアリング」があった。全校児童生徒が生演奏を鑑賞して音楽に触れた。

　同事業は、２０１１年度から県内の幼保園、小中学校、福祉施設などを対象に始まった。「集中しやすい時間で」「親しみのある場所で」「少人数で」の〃三つのＳ〃を基本とし、同事業の登録アーティストが音楽の素晴らしさを伝えている。

　同校には、小坂厚子さん（クラリネット）、佐貫冴美さん（ピアノ）＝いずれも同市出身＝が来校。２人は早速、「赤とんぼ」を演奏した後、小坂さんは「クラリネットが約３００年前に誕生した楽器で、楽器の歴史の中では最近の楽器になる」と説明した。

　続けて、クラリネットの特徴を紹介する曲として、「インマークライナー」を披露。小坂さんは間奏中にクラリネットのパーツを順番に取り外し、最終的にはマウスピースのみの演奏に。変わった演奏方法に子どもたちは終始、興味津々だった。

　また、作曲者のジョージ・ガーシュウィンを紹介後、「アイガットリズム」を演奏。子どもたちは演奏中、手拍子をしてジャズのリズムを楽しんだ。アンコールを含む計８曲の童謡からジャズまで、さまざまなジャンルの音楽に触れ合い、楽しいひとときを過ごした。

　中学３年生の直野琉南さん（１４）は「クラリネットが１２０個の部品で作られていることに驚いたし、いろいろな音を聴いて興味を持った」と話していた。