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稲穂のそばに咲く彼岸花

本紙掲載日:2022-09-19
7面

見る人楽しませるコケアートも

◆五ケ瀬町鞍岡−日蔭棚田

 標高約1300メートルの祇園山を望み、その美しさから「日本の棚田百選」にも認定されている五ケ瀬町鞍岡の日蔭(ひぞえ)棚田で、今年も鮮やかな彼岸花が見頃を迎えている。

 ヒガンバナ科の多年草で、日本では北海道から南西諸島にかけて分布。中国大陸原産とされ、9月中旬ごろに見頃を迎えることから秋の訪れを告げる花としても親しまれている。

 棚田のあぜ道に根付き、黄金色の稲穂を見守るように咲くこの花は約15年前、地元農家などでつくる「日蔭集落協定」(渡邊勝文会長)と同集落の敬老会員が移植した。

 「美しい景観をもっと美しく」との思いが込められており、渡邊会長(60)=同町鞍岡=によると、今年は平年並みの10日ごろ開花。残念ながら台風接近と重なり、見頃の予測は難しいが、毎年お彼岸(20〜26日)ごろまでは見られるという。

 集落内には、渡邊会長が昨年初挑戦したというコケアートも現存。擁壁に生えたコケを高圧洗浄機で洗い落とし、トンボや彼岸花の絵、「棚田100選」の文字を描いており、通学中の子どもらを楽しませている。

 渡邊会長は「彼岸花を見ると『もう秋じゃな』『寒くなるなぁ』と季節の移り変わりを感じる。花も含めて、美しい棚田の景観を楽しんでほしい」と話した。

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