のべおか天下一薪能「とても思い入れのある薪能」

本紙掲載日：2022-09-16

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片山九郎右衛門さん延岡で会見

　第２５回のべおか天下一薪能（てんがいちたきぎのう）は、１０月８日午後５時３０分から延岡市の延岡城址（し）二の丸広場で行われる。ＮＰＯ法人のべおか天下一市民交流機構、延岡市、同市教育委員会主催。雨天時は、同市東浜砂町の延岡総合文化センター大ホールに会場を移す。

◆出演の子どもたちに稽古

　同市の川中コミュニティセンターでは今月１２日、同薪能に出演する観世流能楽師シテ方・片山九郎右衛門さん（５７）が来延、出演する子どもたちに直接稽古し、その様子を公開した。

　今年の演目は、２００１年以来２度目の公演となる能「土蜘蛛（つちぐも）」のほか、初公演となる能「巻絹（まきぎぬ）」、大蔵流狂言師・茂山千五郎さんによる狂言「蝸牛（かぎゅう）」。

　能「土蜘蛛」では、侍女・胡蝶（ツレ）役を鮎川愛美さん（延岡星雲高３年）、頼光の従者（トモ）役を川﨑将宏さん（延岡中１年）が務める。また、山本碧乃さん（南小１年）と山本柚香さん（同２年）が仕舞「老松（おいまつ）」、友清茉耶さん（延岡小４年）が仕舞「合浦（かっぽ）」、下沖美乃莉さん（延岡学園高１年）が仕舞「経正（つねまさ）」、甲斐美乃里さん（九州保健福祉大２年）が仕舞「天鼓（てんこ）」を舞う。

　この日は、片山さんが間の取り方や足拍子のリズムなど熱の入った指導を行った。子どもたちは汗を流しながら、集中して稽古に臨んだ。小学５年生から出演している鮎川さんは「普段と違って緊張感があって、とても良いお稽古になった」と振り返り、「女性なので、美しく、きらびやかに、静かな舞いをしたい」と話した。

　稽古後、片山さんは同所で会見を開き、同薪能への思いなどを語った。

　片山さんは、同薪能の歴史を振り返った後、出演する子どもたちに向けて「力強く、元気よく、まっすぐに舞っていただきたい」とエール。また、３年ぶりとなった延岡城址の「千人殺し」の石垣を背景にした公演について「とても思い入れのある薪能。それが城山で久しぶりにでき、言い表せない喜びをひしひしと感じている」と話した。

　チケットはＳＳ指定席１万円、Ｓ指定席８０００円、Ａ自由席５０００円。延岡総合文化センターで現在販売しており、同２３日に開館する延岡城・内藤記念博物館でも同日から販売開始予定。Ａ自由席に限り、チケットぴあ（Ｐコード５１３８９０）で購入できる。はがき、ファクス、メールでの申し込みも受け付けている。

　問い合わせは同交流機構（電話延岡３３・０２４８）まで。