模範的な取り組みたたえる－県優良工事

本紙掲載日：2022-09-10

2面

延岡土木事務所長賞の表彰式

日向土木事務所長賞の表彰式

県西臼杵支庁で行われた表彰式

北部港湾事務所長賞の表彰式

発注機関長賞表彰式－延岡・日向・西臼杵

　２０２２年度県優良工事の発注機関長賞表彰式は８月３０日までに、延岡総合庁舎、日向総合庁舎、西臼杵支庁（高千穂町）、北部港湾事務所（日向市）で行われ、各機関発注の工事で他の模範となる取り組みを実践した業者に延岡土木事務所長賞、日向土木事務所長賞、西臼杵支庁長賞、北部港湾事務所長を贈り、たたえた。

◆２社に延岡土木事務所長賞－延岡

　延岡土木事務所長賞は、太陽技建（延岡市土々呂町）と岡田工業（同市北方町川水流卯）が受けた。

　太陽技建は、沖田川水系奥の谷川で、県道を土石流の危険から守る渓流保全工の設置工事を担った。地域住民と信頼関係を築き、円滑に工事を完成。高校生を対象に現地見学会を開き、担い手育成にも取り組んだ。

　岡田工業は、県道古江丸市尾線でのり面災害の復旧工事を担当。大分県側の道路管理者や地元との調整を密に行い、円滑に進めた。また、ドローンを使って施工状況の確認を行うなど工夫し、作業効率化も図った。

　表彰式には、太陽技建の那須忠幸社長と白須健一郎主任技術者兼現場代理人、岡田工業の岡田孝仁社長と岩切優貴現場代理人が出席。延岡土木事務所の横山義仁所長から表彰状を受け取った。

　横山所長は「さまざまな苦労があったと思うが、他の模範となるような素晴らしい現場をつくっていただいた。これからも誇りを持って、ますます技術を磨いてほしい」とあいさつ。

　那須社長は「地域の皆さんの『ありがとう』『お疲れさま』が何よりうれしかった。これからもまい進していきたい」。岡田代表は「安全はもちろん技術の研さんをし、皆さんの満足のいく工事を目指したい」とそれぞれ語った。

◆日向土木事務所長賞は３社－日向

　日向土木事務所長賞を受賞したのは、旭建設（日向市向江町、黒木繁人代表取締役）、坂下組（小林市細野、坂下利博代表取締役）、吉原建設（都城市中原町、原政秀代表取締役）。管内で昨年度に完成した工事約１５０件の中から選ばれた。

　旭建設は、国道３２７号の扇山工区で道路防災工事を施工。のり面に落石防護網を設置し、積極的な新技術の活用、高い品質や事務処理の効率化、工期短縮を行った。また、広報誌を発行するなど工事の情報を近隣住民に発信し、事業に対する理解の醸成に努めた。

　坂下組は、国道３２７号の永田工区（仮称）で永田１号橋上部工工事を施工。積極的に新技術やＩＣＴ（情報通信技術）を活用し、工期短縮や技術力の向上を図った。また、一般車両が安全に通行するための工夫のほか、定期的な清掃、草刈りを行うなど、積極的に地域貢献を果たした。

　原建設は、樋の元地区の急傾斜地崩壊対策工事を施工。急傾斜地におけるのり面工事（軽量吹付法枠工）で、厳しい条件下の中、地元調整を行いながら特殊機械の導入などで工期短縮や現場の安全管理に努めた。また、広報誌の発行するなど土木工事のＰＲも行った。

　式で、平部隆典所長が各社の代表に賞状を手渡し、「厳しい現場条件を工夫して乗り越え、地元住民に公共事業を理解してもらうなど、皆さんの努力に敬意を表する。今後も力を合わせて、インフラ整備や防災、減災対策などを進めていきたい」とたたえた。

　最後に、受賞した各社の代表がそれぞれ「これまで培ってきた技術や経験を駆使し、地域のために努力をしていきたい」「この賞を励みに、さらに知恵を絞り、創意工夫を重ねて地域の皆さんに喜ばれる仕事を目指したい」「これからも安全、品質を最優先し、地域社会に貢献したい」などと謝辞を述べた。

◆４社に西臼杵支庁長賞

　西臼杵支庁長賞は、高千穂土木（高千穂町三田井、甲斐和幸社長）、光栄建設（同、今村康薦社長）、矢野興業（本社・宮崎市、矢野智久社長）、冨高工業（高千穂町押方、冨高徹雄社長）が受賞した。

　高千穂土木は、ため池等整備事業２工区（五ケ瀬町三ケ所坂狩）で、工事内容に関する広報紙を作成するなどして住民の理解を得たことや、緊急時の作業員の安全確保に対する取り組みを実践した。

　光栄建設は、県道日之影宇目線（日之影町見立下鶴）の災害復旧工事で、作業日程や施行スペースのレイアウトを検討し、コミュニティーバスや緊急車両の通行に配慮した時間規制を行いながら無事故で完工した。

　矢野興業は、内の口川（五ケ瀬町三ケ所）の砂防堰堤（えんてい）工事において、急峻（きゅうしゅん）で流路設計が難しい中、日数短縮を図りながら景観に配慮した施工を行ったこと、路肩の草刈りや横断歩道の補修といった地域に寄り添う姿勢などが評価された。

　冨高工業は、緊急予防治山事業（日之影町見立煤市）で綿密な配車計画や打設管理による生コンの品質を確保。また、主要地方道日之影宇目線（同町七折赤石）の改良工事で、ＩＣＴを活用した作業の効率化や路肩に堆積した土砂堰（せき）を担い、責任を持って現場周辺の管理に努めた。

　式では、河野支庁長が４社の代表者に表彰状を授与し、「災害が激甚化する中、質の高い工事を行う重要性は高まっている。今後も模範的な取り組みを継続し、建設産業全体の振興に貢献いただけるとありがたい」と感謝の意を伝えた。

◆北部港湾事務所長賞は２社

　北部港湾事務所長賞を受賞したのは、長谷川組（門川町中須、長谷川明正代表取締役）と山崎産業（延岡市貝の畑町、山﨑司代表取締役）。管内で昨年度に完成した工事２８件の中から選ばれた。

　長谷川組は、細島港白浜地区の１６号岸壁でケーソン据え付け工事を施工。環境に配慮した工事を行い、慎重で丁寧な施工でケーソンに損傷も与えず、高品質な工事を安全に完了した。また、細島港の情報発信に貢献したほか、清掃活動、環境整備にも積極的に取り組んだ。

　山崎産業は、南浦漁港須美江地区のしゅんせつ工事を施工。最新のＩＣＴ技術を活用し、水中の目に見えない範囲での工事を正確に作業効率を高めて完了した。着手前には漁業関係者らに、きめ細かな説明を行ったほか、海水浴場へ配慮した綿密な対策を実施した。

　式で、同事務所の那須紘之所長が両社の代表者に賞状を手渡し、「両社が持つ技術を最大限に発揮していただいた。複数の関係者と工事内容、スケジュールなどを共有し、綿密な調整をしながら工事を進めていくなど、改めて自分たちも勉強になりました」とたたえた。

　最後に、両社の代表者が「今回の受賞を励みに、これからもさらなる技術の向上に努力していく」「さらなる技術向上に努め、県内の漁業関係者に喜ばれる港湾漁港工事を続けていきたい」と感謝した。

　県優良工事表彰は、建設産業全体の意欲向上を目的に県が２０１０年度に創設。県環境森林部、農政水産部、県土整備部が所管する建設工事の中から優良工事を選び、知事賞、部長賞、発注機関長賞を贈っている。