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湿原は秋の気配−延岡市北川町

本紙掲載日:2022-09-08
7面

タデ科植物見ごろ−トンボやチョウも

 朝夕に秋の訪れを感じる中、希少な動植物の生息地として知られる延岡市北川町の北川湿原では、タデ科の小さな花が見頃を迎えている。

 家田、川坂地区合わせて広さ約20ヘクタールの湿原を代表するのがタデ科の植物。絶滅危惧種を含む10種類以上が自生する。

 この時期に最も多く見られるのが「ナガバノウナギツカミ」。高さ1メートルほどの茎の先に、直径5ミリほどのピンク色の小花を密に咲かせる。

 茎に下向きの毛があり、滑りやすいウナギでもつかめそうなことが不思議な和名の由来とされる。北川湿原が県内唯一の生息地で県の絶滅危惧IA類。

 同じカテゴリーに分類されるのが希少種「サデクサ」。ウナギツカミの仲間で花はコンペイトーのようなかわいらしい形。ピンクや赤に色づく。

 家田湿原に多く自生する「サクラタデ」は、その名の通り桜のような薄いピンク色の花をいくつも咲かせる。一つの花は直径8ミリほどしかないが、それでもタデ科の中で最も大きいという。

 羽に大きな目玉模様のあるチョウ「タテハモドキ」が蜜を求めて飛び回り、羽に褐色の帯が入る「ミヤマアカネ」や胴体が金緑色に輝く「ハグロトンボ」が川面を乱舞している。

 北川湿原は絶滅危惧種の動植物が50種類以上生息し、学術的に極めて価値が高いとされる。日本の重要湿地500、ラムサール条約湿地潜在候補地に指定されるほか、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの移行地域にも含まれている。

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