「ひなたＷＯＭＡＮ」（９５）

昭和（延岡市）上杉可子（よしこ）さん

◆加工部品の検査一筋

　大武町のＩＮＯＢＥＣＨ（イノベック・旧延岡鉄工団地）内にある部品加工メーカー「昭和」の品質管理課主任。半導体装置や医療機器、食品関係、産業機械などの各部品の出荷に先立ち、寸法などが基準内にきちんと収まっているかの最終検査に携わる。

　「ノギスやマイクロメーターなどの測定器を使いながら、図面とにらめっこの毎日なんですよ。一つ一つの部品が人々の日々の暮らしに役立っていると思うと、とてもやりがいを感じます」

　ほかにも外注品のメッキや塗装の仕上がり、在庫品のさびの有無などにも目を光らせる。

　「お客さまからの急な依頼にも迅速対応が弊社の強み。女性５人を含め９人がチームワークで頑張っています」

　延岡工高を出て２４歳のときに入社。一人娘の幼稚園入園時と重なった。慣れない仕事に家事との両立。当初は「続けられるだろうか」と悩んだ時期もあったという。そんな時に支えてくれたのが会社であり、家族だった。

　「子どもが具合が悪いときなど『いいが、帰んない』と言ってくれた先輩方には本当に感謝しています。幼稚園の送り迎えなどを手伝ってくれた母や義母、妹にも助けられました。気が付けば１３年がたち、毎日が充実して楽しいです」

　南中時代は卓球に打ち込んだ。県大会で団体優勝し、九州大会に出たのが最高の思い出。部員が多くレギュラーにはなれなかったが、３年間の厳しい練習で培った忍耐力、体力は仕事にも生きているという。当時の仲間とは今も交流が続く。

　「高精度の３次元測定機も入りました。皆で早く使いこなし、稼働率を上げなくてはなりません。在庫管理などもまだ改善の余地があり、やることがいっぱいです」