暮らしを守る仕事見学

本紙掲載日：2022-05-28

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旭小５年生、遠足で国交省延岡へ

　延岡市立旭小学校（髙森賢一校長、４２７人）の５年生６７人は２０日、遠足で同市大貫町の国交省延岡河川国道事務所（麻生宏斉所長）を訪れた。同所の職員が案内役となり、施設見学、防災や事業に関する座学、業務で扱う機器の操縦などを体験。快適で安全な町づくりへの取り組みを学んだ。

　小学５年生が社会科の単元で取り上げる河川や自然災害などについて、より理解を深めようと企画。この日は４班に分かれ、同事務所内と、同事務所が管理する桜小路排水機場で順番に説明などを受けた。

　所内では座学が行われた。職員が、昨年開通した国道２１８号高千穂日之影道路の事業化から工事完了まで約１５年にわたる工程を紹介。そのほか、模型を使った堤防の解説や五ケ瀬川に関するクイズで盛り上がる時間もあった。

　災害に備え情報を分析する防災室では、大型モニターに映し出された雨量レーダーや観測カメラの映像を見ながら道路、堤防などの破損に素早く気付けるよう目を光らせていることや、最悪を想定したハザードマップの重要性などを教わった。

　「（観測カメラを）操作してみたい人」との呼び掛けに児童たちはこぞって手を挙げ、一人ずつ挑戦。「すげー」「意外に難しい」などと口にしながら、めったにできない経験に目を輝かせた。

　排水機場では場内設備を見学。大雨で増水した河川の水が市街地や農地へ流れ込むのを防ぐため、支川（しせん）からくみ上げた水を本川（ほんせん）へ吐き出す機能の解説などに耳を傾けた。

　夜間作業時に５００メートル先まで照らせる照明車（２０メートル級）の操縦体験や、水害発生時に浸水場所から１分間に３０～６０トンの水をくみ上げられる排水ポンプ車の説明もあり、真剣な表情でワークシートにメモする児童の姿も見られた。

　参加した荒田壌さん（１０）は「みんなの暮らしを守る大事な仕事をしていると感じた。防災についても考えてみたい」。小出華凛さん（１０）は「照明車の光が５００メートル離れた場所で新聞が読めるくらいまで照らせると聞いて驚いた」と感想。

　進行を取り仕切った大塚健司調査第１課長（４６）は「このような機会を通じて、地域の支えになるような大人に育ってほしいと思っている。私たちの役割や仕事を知り、土木分野にも興味を持ってもらえれば」と話した。