はばたく中小企業・小規模事業者３００社

三桜電設を選定−中小企業庁

◆３Ｄ技術活用推進−延岡

　電気設備工事や土木、建築設計などを手掛ける延岡市川原崎町の三桜電設がこのほど、中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者３００社」に選ばれた。

　はばたくは、革新的な製品・サービス開発や地域経済の活性化、多様な人材確保など優れた取り組みを推進している中小企業が対象。それぞれの会社が抱えている課題などに対し、独自のアイデアや技術で解決、成果を挙げている企業を「生産性向上」「需要獲得」「人材育成」の３分野で選定している。

　選定対象となった企業は、日本商工会議所や全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会などが推薦。外部有識者が審査を行った。代表４社への授賞式は昨年１２月に行われた。

　同社は、３Ｄスキャナーで取り込んだ建設工事や改修工事現場を、高精細な３Ｄ設計図として再現するなど独自の技術を積極的に活用。こうした取り組みは２０２０年に行われた「新価値創造展２０２０」でも注目を集め、設計業務効率化や働き方改革などへの貢献も期待されている。

　３Ｄ技術で作成した設計図は、建物の資材やパイプなどの大きさや距離も正確に表示できるため、一度測量してしまえば何度も現地に出向くことなく打ち合わせが可能。また、構造物などの移動もデータ上で行えるため、事前にあらゆる角度から現場を確認できる。これにより、工事作業中の機材の干渉によるトラブルなども防ぐことができ、作業員の安全確保にも役立っている。

　同社では、約８０台のタブレット型パソコンを社員に配備。２Ｄ設計図ではイメージしづらい完成図を手軽に見ることができるため、顧客と社員、現場作業員にも好評を得ているという。

　甲斐雄二代表取締役は「長年取り組んできた３Ｄ技術の導入は間違いではなかった。まだ完成形ではないが、これからの業務の後押しになる」と喜び、「社会に貢献するために、率先して情報を広めていきたい」と話している。

　はばたくには本県から同社のほか、ＳＵＮＡＯ製薬（宮崎市）、ワン・ステップ（同）、大和フロンティア（都城市）、ドライアップジャパン（木城町）が選ばれた。