延岡市消防職員意見発表会−最優秀賞に汐川消防士

　２０２２年度延岡市消防職員意見発表会がこのほど、市消防本部であり、入署５年目の消防士４人が業務や災害活動現場などで経験したことや感じたことを発表した。

　例年は市教育長や延岡警察署長など外部から審査員を招いて開催しているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大緊急警報が発令されたため、急きょ規模を縮小。関係者のみ出席し、永谷正男消防長ら消防幹部４人が審査した。

　その結果、「未来を創る防災教育」をテーマに発表した汐川想太郎消防士（消防第１課）が最優秀賞を受賞。４月中旬に都城市で開催が予定されている県消防職員意見発表会への出場を決めた。

　また、「ＳＴＵＤＹＲＯＴＡＴＩＯＮ（スタディー・ローテーション）」を発表した冨岡大輝消防士（同）が優秀賞、「家族から救いの手を」を発表した松下卓未消防士（同２課）が奨励賞を受賞。甲斐堅士郎消防士（同）も「一家に一人の消防士」をテーマに元気よく発表した。

　汐川さんは製品の安全性向上などにより国内の建物火災がこの１０年で約６千件も減少した一方、同火災による死者数はほぼ横ばいで、その原因の半数が逃げ遅れだと指摘。「命を守る予防行政の取り組みがまだまだ必要」と訴えた。

　米国では子どもへの火災予防教育にゲーム感覚のプログラムを取り入れていることを紹介。これを参考に、小さな子どもはＶＲ（仮想現実）やアトラクションを活用したり、中高生は事例を交えてあらゆる場面を想定した対応を学ぶなど段階的教育を提案し、「子どもへの教育は『未来の大人たちへの投資』です」と力を込めた。