地元大学への理解深める

小−高教職員が九保大を見学

　延岡市吉野町の九州保健福祉大学（兒玉修学長）で１１月２６日、県北の小中学校、高校の教職員らを対象にした講演会と施設見学会があった。約７０人が参加。地元の大学について理解を深めた。

　同大を地域の財産として活用したまちづくりを推進する「大学おうえん協議会」（吉玉典生会長）が、大学について、また、普段は見る機会の少ない学内施設について知ってもらおうと初めて実施。講演会では、宮崎大学勤務時代から長年教員の養成に携わってきた兒玉学長が、「学校での『学び』をめぐる論点―学ばせる〃論点〃を求めて―」と題して話した。

◆問いを求める学習への転換が必要−兒玉学長が講演

　中央教育審議会の答申などを基に、「問いと答えの間にある『理由』が重要」と強調。人によって異なる理由を知ることで自分自身の理由が鍛え上げられること、異なる意見が対立することで問題が深まるため、反論されることは非常に重要であることなどを説明した。

　また、授業は教員がつくるものであり、「何を学ぶかを子どもたちが決めるわけにはいかない」。その中で子どもたちに主体性を持たせるには「教員が提示した教材を通じて、一生懸命考えることができれば主体性は実現できるのではないか」。それを継続させるには「答えを求める学習ではなく、問いを求める学習への転換が必要。子どもの学びに依存するのではなく、教員の指導力、指導性、つまり教育実践が求められている」と述べた。

　この後、参加者は事前に希望した五つの学科に分かれて見学。学生が実験に用いる器具を見、学科についての説明を聞くなどした。