小学校運動場で最後の運動会

島野浦小中が合同で

◆来春、義務教育学校に

　今年度末で閉校し、統合が決まっている延岡市の島野浦小学校（平田政行校長、１９人）と島野浦中学校（渡会洋一校長、８人）の合同運動会が２３日、同小運動場であった。

　来年４月には離れた場所の２校を統合、小学校と中学校の区分も外して９年間一貫した教育を行う義務教育学校「島野浦学園」として、現在の中学校敷地内に開校する。合同運動会は毎年、中学校近くのマリン球場で実施しているが、小学校を使用しなくなることから、１２年ぶりに同所で開催した。

　秋晴れの空の下、１周約１００メートルの運動場を子どもたちは全力疾走。最後まで勝敗の付かない接戦に保護者らも全力で応援した。親子対抗リレーでは、小学６年と中学３年の親子が参加。元気いっぱいの子どもたちと、気持ちは進むが足が付いてこない保護者の戦いにこの日一番の盛り上がり。勝負しようと、保護者チームのバトンが渡るのを見て走り出す子どもの姿も見られ、その思いに応えようと保護者も必死に足を動かした。

　小学３年〜中学生で踊ったソーラン節では、大漁旗から作った鮮やかな法被と鉢巻き姿で力強く踊り、保護者は大漁旗を振って盛り上げた。地元の盆踊りとして伝わる「うちわ踊り」も全員で披露。保存活動に力を入れる櫨林守さん（８１）が太鼓を、岩田俊明さん（７３）が歌う中、子どもたちは円になって２枚のうちわを操り、舞った。

　場面に合わせて複数の歌詞があるという同踊り。今回は櫨林さんが運動会用の歌詞に一部加筆。「百有余年の歴史を刻みきょうこの日を最後として共に過ごした学びの庭でみんな笑顔で踊りましょうや」のフレーズを加えた。

　最後は全員による団対抗リレーで幕。実行委員長を務めた中学３年の長野陽平さんは「僕たちが育った小学校で最後の運動会ができて思い出になった。（新しい学校になっても）今まで受け継いできた伝統を受け継いでほしい」、同じく３年で白団団長の岩佐勇希さんは「思い出に残る運動会になった。伝統をさらに良いものにして、島野浦学園に引き継いでほしい」と話した。

　合同運動会は毎年、地域住民も参加するが、コロナ禍の今年は来場者を児童生徒の島内在住の親族に限定。小学校での最後の運動会を惜しみ、会場外から子どもたちの姿を見守る住民の姿も複数見られ、会場は何度も温かな拍手で包まれた。

　小学校の校舎や運動場の閉校後の利用等については、現時点では決まっていないという。