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両大戦の舞台裏12のエピソード

本紙掲載日:2021-10-21
7面

井上尚英さん「世界の片隅で」出版

 延岡市出身の医師、井上尚英さん(北九州市在住)の著書「世界の片隅で」がこのほど出版された。生物・化学兵器に詳しく、第1次世界大戦での化学戦を描く「毒ガスの夜明け」などの著書がある井上さんだが、新著では第1次・第2次の両大戦の舞台裏の秘話を掘り起こした興味深い12のエピソードを紹介している。大道学館出版部発行、1800円。

 第1章は、パリで活躍した女性ダンサーのマタ・ハリがドイツ・フランスの二重スパイの疑いでフランス軍に処刑されるまでを丹念に書いた「マタ・ハリは何故処刑されたか」。

 第3章では、悲惨な塹壕(ざんごう)戦を続けていた第1次世界大戦の西部戦線で起きた奇跡を描く。1914年のクリスマス、わずか50メートルの距離にそれぞれ塹壕を掘り、戦っていたドイツ軍とイギリス軍が壕から出て、菓子やたばこを贈り合い、合唱を楽しんだ。サッカーの試合を行った戦線もあるという。

 しかし、「年を経るとともに『非公認の』休戦は終わりを告げ、1916年と1917年にクリスマスの交流があったという話は伝わっていない。生きるか死ぬか、やるかやられるかの日常的な綱渡りを前に、前線でささやかな平和を味わうゆとりは失われた」。

 そして「ヨーロッパを中心とする世界大戦が1918年11月に終結した時には1千万人を超える死者・行方不明者が出ていた」と、戦争の厳しい現実で締めくくっている。

 第5章は、青酸ガスの害虫駆除剤チクロンBをドイツがユダヤ人収容所で大量殺人の道具として使うまでの経緯を紹介。

 第11章「スヴェルドロフスク事件の真相をえぐる」は、ソ連がウラル山脈の西側のスヴェルドロフスクに造った生物兵器研究所から病原体の炭疽(たんそ)菌が漏れ出し、周辺の住民に多数の犠牲者が出たにもかかわらず、政府が隠し続けた事件について書く。

 この本に「推奨のことば」を寄せた作家の帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さんは「井上尚英先生しか書き得ない戦争秘話」「著者の生物・化学兵器に関する専門知識と、両大戦全体についての該博な認識が見事に反映されている」と評している。

 帚木さんはこれまで、井上さんが捜査や裁判に関わった和歌山カレー事件を「悲素(ひそ)」、一連のオウム真理教事件を題材にした「沙林(さりん)」の2冊の小説を発表。主人公のモデルはいずれも井上さんだ。

【井上尚英(いのうえ・なおひで)】1940年、福岡県直方市で生まれ、すぐ延岡市に転居。父親は旭化成ベンベルグ工場の病院長。恒富小、延岡中、恒富高(現・延岡高)から九州大医学部に進学。カナダ・モントリオール臨床研究所研究員などを経て、産業医科大教授から九州大医学部教授。現在は九州大名誉教授。神経内科医で中毒学の第一人者。
主な著書は「生物兵器と化学兵器」「緑の天啓〜SMON研究の思い出」「毒ガスの夜明け〜第一次世界大戦と化学戦の真実」など。

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