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妻が生かしてくれた命

本紙掲載日:2021-09-07
1面

相生さん、苦しみ続けたこの1年

◆少しずつ前を向けるようになった

 「生かしてもらった命。自分ができることをやっていく」――。突然の土砂災害で最愛の妻と息子、家族のように接してきたベトナム人技能実習生を亡くした相生組社長の相生秀樹さん(71)は、悲しみと向き合った1年を振り返った。

 昨年9月6日、この日椎葉村では418ミリもの大雨が降った。村は正午に避難所26カ所を開設。午後3時には役場内に災害対策本部を設置し、村全域に避難勧告を発令した。

 相生さんは、近くの宿舎に住むトアンさんとロンさんの身を案じ、「危ないからこっち(自宅)へ来ていなさい」と自宅に避難させた。3人とともに勝子さん、泰孝さんが自宅や同じ敷地内の会社事務所で過ごしていた。

 午後8時ごろ、いつもは就寝前に入浴する相生さんだが、「あの時は、妻が『早くお風呂に入りなさい』と言ってきた。1回じゃ私が聞かないから、2回も入るよう言われて…」。勝子さんに促され、しぶしぶ入ったお風呂。その入浴中に土砂崩れが発生した。

◇一時は途方に暮れ、会社を畳むことも考えた

 大雨の影響で斜面の地表に近い部分がゆるみ、自宅や事務所の裏山の斜面(全長約220メートル)が崩れ落ちた。

 5人全員が土砂に押し流され、4人が行方不明に。風呂場にいた相生さんはろっ骨を折るけがを負ったものの、奇跡的に助かった。

 あれから1年。「一日たりとも忘れることはなかった。(トアンさんとロンさんを)自宅に呼ばなければ、2人は生きていた。判断が間違いだった。ごめんね」

 当初は、4人と自宅、会社事務所を失い、途方に暮れた。悲しみから一時は、会社を畳むことも考えた。

 しかし、周りの人たちや従業員の支え、そして孫たちと接しているうちに、少しずつ前を向けるようになった。「今では妻が、『あなたは生きなさい』と言ってくれていたのかなと思う。やめるわけにはいかない」

 既に相生組の仕事は再開しており、今は実習生が住んでいた宿舎に1人で暮らしている。発見されたトアンさんの遺骨、そして4人の位牌(いはい)に一日の出来事を報告するのが日課。今月5日にはベトナムの遺族が現場を訪れる予定だったが、コロナ禍で見送られた。収束すれば、相生さん自ら遺族に会いに行く予定という。

 6日に営まれた追悼、献花式では、捜索活動を行った地元消防団や日向地区建設業協会、関係者らに対し、「災害発生から本日に至るまでいろいろとお気遣い、ご迷惑をお掛けいたしました。感謝いたします。私どもは現状を受け入れながら家族と頑張っていきます」と力強くあいさつした。

 参列者が帰り、災害現場に一人残った相生さん。「姿、形があれば落ち着くが、四十九日、お別れ会、初盆の供養をしても何もない。(3人の)骨の一つでも出てくれば落ち着くのに、これほど苦しいものはない」と心情を口にした。

 悲しみ、苦しみは途切れることはない。それでも、「妻が生かしてくれたこの命。4人の思いを背負って生きていく」と前を向いた。

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