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満身創痍もウルスラらしく−聖心

本紙掲載日:2021-07-16
9面
【2回戦・聖心―都城東】聖心は初回、1死満塁で甲斐が右前にはじき返し、2点を先制

第103回全国高校野球選手権宮崎大会

◆甲斐、集大成の2点適時打

 満身創痍(そうい)だった聖心。小田原監督は「けがに泣かされた。いい状態で大会に入らせてあげたかった」と、涙する選手たちをかばった。

 投打に夏の主役になれそうなタレントがそろったチーム。主戦中上を欠くなど、万全とはほど遠い状況で、球速140キロ超の主戦を擁する都城東と2回戦でぶつかった。

 今の全力で戦った。初回、1死満塁で打席に向かったのは甲斐。スタンスに入る前、両手を大きく広げる。「春まで好機で打てなかった。最後の夏も『満塁で回る』と指導陣から言われていた。3年間の集大成だった」。

 初球から高めのストレートを見逃さず強振。右前にはじき返し、2点を先制した。

 先発は初戦に続き、内村。「『お前がエースのつもりで投げろ』と藤原に言われ、思い切り胸を張って投げた」。初回から3四球と制球には苦しんだが、弱気にならず腕を振る。速球、変化球ともに切れ鋭く、5回2失点と試合をつくった。

 終盤も「ウルスラらしく」と声を上げ続け、試合後も涙をこらえた主将の藤原。「出し切ったというと嘘になるが、負けから学ぶこともある。後半の粘りを意識して日頃から取り組んでほしい」。次世代で甲子園へ―。聖心の伝統で、3年生は卒業までサポートし、夢を託す。


◇最後まで自分らしく−諏訪(先頭で先制の起点となる内野安打)
「自分がでれば、続くと思っていた。負けた悔しさは大きいが、最後まで自分らしく戦えた。大学でこの悔しさをぶつけたい」


◇もう1、2点−小田原監督
「入りは良かった。いいピッチャーに立ち上がりから攻めれたが、もう1、2点欲しかった。負けはしたが、調子が悪いながらによく粘れて頑張った」

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