美郷町・西郷義務教育学校

落成祝い記念式典

◆県内初・前後期、多様な学び

　美郷町立西郷義務教育学校（川越政紀校長、園児１２人、児童生徒１０１人）の落成記念式典が１８日、同校であった。同校の園児、児童生徒をはじめ、田中秀俊町長、工事関係者などが出席し、完成を祝った。

　同校の玄関前で神事が執り行われた後、田中町長ら来賓や関係者、小田夢空さん（９年）によるテープカットと、西郷幼稚園の奈須天莉ちゃん（年長）、船場仁さん（４年）、船場蓮さん（７年）、荒砂光琴さん（９年）によるくす玉開披があった。

　記念式典は体育館であり、園児、児童生徒、教諭、関係者らが参加。大坪隆昭町教育長が、既に４月から校舎の使用が始まっていることを紹介し、「県内初の義務教育学校として子どもたちと教諭が一緒になって魅力を発信してほしい」とあいさつした。

　田中町長は、「新しい伝統をつくっていってほしい」。県教育庁北部教育事務所の永井敬雄所長は「県の教育の充実に向けて多くの示唆を与えてくれると期待している」と述べた。

　川越校長は「子どもたちが自分たちの力で自分たちの学校をつくることを目指すことにした。『与えられる教育から自らつかみ取る学びの転換』をテーマに、常にさまざまな会話を通して内容に修正を加えながら、狙いに基づいた教育活動を実施していく」と語った。

　代表生徒あいさつでは、甲斐光祐さん（９年）が「生徒主体の学校づくりを行うため、『誰かのために』と思って行動に起こしたりする相手意識を持って生活することが大切です。生徒一人ひとりが自分たちで学校をつくっていく自覚を持ってほしい」と呼び掛けた。

　式典は、新型コロナウイルス感染拡大に考慮し、規模を縮小して実施。最後はマスク着用のまま園児、児童生徒、教諭全員で校歌を斉唱した。

　同校は田代小と西郷中が統廃合し、田代幼稚園も施設内に併設した新たな学校として誕生。今年４月に県内初の義務教育学校として開校した。

　校舎は、旧西郷中の敷地に幼稚園棟（鉄骨造り平屋２３４平方メートル）や小学校棟（木造平屋約１７７平方メートル）、給食センター棟（鉄骨造り平屋約３９８平方メートル）などを約９億円を掛けて増改築した。

　教育課程を幼、小、中と区切らず、前期ブロック（幼〜４年生）と後期ブロック（５〜９年生）とし、子どもたちの成長に応じた連続性のある多様な学びの実現を目指す。

　なお、同町北郷の北郷小と北郷中、北郷幼稚園が同じ敷地にあり、施設一体型で運営していた美郷北学園も４月から、「美郷町立美郷北義務教育学校」に移行された。