起業のやりがい学ぶ−岡富中２年生

２カ年計画で総合学習−延岡

　延岡市立岡富中学校（粟田茂樹校長、３０６人）は４日、地元で活躍する起業家や家業の後継者を講師として招き、２年生１１１人が夢や苦労、やりがいなどを学んだ。

　今年度から２カ年計画で取り組む総合学習「中学生が起業する〜起業家になって企業を起業するぞ」の一環。一連の活動を通じて、生徒の自主性、創造力などを育む。

　この日の講師は、地域デザインプロデューサーの甲斐慶太朗さん、結婚相談所を起業した佐々木由美さん、将来の事業継承者がビジネスプランを競う「アトツギ甲子園」でファイナリストとなった松田陽子さん。３人は、各クラスを１人ずつ順に回り、自身の生い立ち、仕事内容、起業までのいきさつなどを伝えた。

　このうち甲斐さんは福岡出身。延岡にＩターンした経緯、自身が起業したデザイン事務所「エリノアデザインラボ」の理念、仕事内容の他、運営するコワーキング・スナック「ｎ計画」、島野浦に今年度開店予定の「満月食堂」など、さまざまな取り組みを発表した。

　起業する喜びは「頭の中の考えが人に受け入れられ、何かが変わっていく様子を見ること」。苦労は「人の期待を常に超え続けないといけないこと」と話し、「人生をどう生きるか」を考えることが起業につながると説いた。

　起業から学んだこととして「人生は学び続ければ、いくらでも修正がきく」「好きなことしか本気を出せない」「やった時の後悔より、やらなかった後悔の方が大きい」などを挙げ、起業家の道を「人と違う人生は苦しい」と語った。だが、「後悔したくないから、毎日を一生懸命生きる。日々の積み重ねが自分や事業を一歩前に進めることになる」と結んだ。

　甲斐一葉さん（１４）は「人のためになる仕事をしたい。常に期待を超えられるよう、一生懸命勉強します」と話した。

◇企業ＣＭ作成、産業フェアなど予定

　今後、生徒はプロから写真の撮り方を学んだ後、職場を訪問して働く姿を写真に収め、写真コンテストへの出品、文化祭での発表、修学旅行関連活動などにつなげる。来年度は、訪問した企業のＣＭを作成しコンテストを実施。２年間の集大成として、市内の高校と協力して〃起業家〃としての発表の場「産業フェア」の開催を目指している。