万一に備え－口蹄疫、初発から１１年

本紙掲載日：2021-04-21

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家畜防疫演習を行い、家畜伝染病の万一の発生に備える職員

県が家畜防疫演習－２００人が参加

　口蹄（こうてい）疫や高病原性鳥インフルエンザなど家畜伝染病に対応するため、県は２０日、県庁防災庁舎などで家畜防疫演習を実施した。本庁の県防疫対策本部員や、県内各農林振興局の現地対策本部員ら職員計約２００人が参加。庁内や関係機関・団体との連絡・連携体制、防疫の手順などを確認し、万一の発生に備えた。

　同日は、西都・児湯地域を中心に牛や豚など２９万７８０８頭が犠牲となった２０１０年の口蹄疫の初発から１１年。高病原性鳥インフルエンザについては、県内で今シーズン１２例が発生しており、県は家畜伝染病の発生に対し、迅速な初動防疫で臨むため毎年演習を実施している。

　目的は、①４月の人事異動後の新体制のもとでの県防疫対策本部各班の連絡体制や役割の確認②新たに作成した高病原性鳥インフルエンザ県対策本部作業マニュアルの内容検証③家畜伝染病疑いの通報から検査、確定診断、移動制限解除までの流れの確認。

　演習では、はじめに口蹄疫と高病原性鳥インフルエンザの初動対応の比較と概要や、県対策本部と現地対策本部の職員の連携に役立つ県防災情報共有システムの活用方法などを説明。その後、県内で家畜伝染病が発生した想定で、同マニュアルに基づいて各班の業務や役割分担、本部と防疫協定団体との連絡体制の確認などを行った。

　演習後、対策本部各班の班長が演習結果を報告。「防疫対策は迅速な対応を求められるため、早めの情報提供が必要だ」「関係する班との十分な連携が重要」など、対策本部間や各班、関係団体との連絡・連携の大切さを再認識する意見のほか、消毒ポイントについては「設置後の弾力的な運営が大切」との意見などもあった。

　最後に、県畜産新生推進局の三浦博幸局長が講評。防疫対策における情報共有の重要性などを挙げ、「各班から改善の声があったが意見はマニュアルに反映し、今冬の発生に備えて体制をしっかりしたものにしたい。また、振興局の現地対策本部も市町の職員、関係団体との連絡先の確認などを確実にしてほしい」と協力を求めた。

　県は４月を特別防疫月間として位置付け、農場に立ち入る際の消毒など、改めて防疫徹底の啓発を呼び掛けている。