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「さらにおいしいジビエを」

本紙掲載日:2021-03-25
8面
商品を手に笑顔の関屋さん
作業は徹底した衛生管理の下で行われる
マグロの赤身のような鹿のロース
関屋さんが運営を任されている美郷ジビエ工房

工房運営から1年・関屋さん奮闘−美郷町南郷

 2019年3月、美郷町南郷にオープンした「美郷ジビエ工房」。現在、運営を任されているのが、20年3月から地域おこし協力隊として活動する関屋学さん(36)=宮崎市出身=だ。商品開発や販路拡大などゼロからブランディングし、4倍の売り上げアップに成功。新たな機材も導入予定で、「さらにおいしいジビエを提供できると思う。21年の目標は400万円」と意気込んでいる。

◆地域おこし協力隊として移住、商品開発、販拡などゼロから

 関屋さんは、アパレル関係の専門学校を卒業、一度は就職して23歳で海外に渡った。帰国後、東京都で保険の仕事に就き、業績を上げ、3人で会社を興したが、辞職して再び海外へ。南米、インド、ネパール、オーストラリアなどを巡り、32歳の時に地元宮崎に戻ってきた。

 帰郷後、日南市の飲食店で働き始めた。高校卒業後に一時、飲食店で働いていたことや、海外で飲食業に携わっていたこともあり、「飲食を一生の仕事にすると決めていた。野菜や魚には天然があるが、肉にはない。自分の店を持ち、ジビエ料理をする」と青写真を描いていた。

 そんな中、美郷町の空き家バンクを知り、直接訪れてジビエ工房の話を聞いた。「ジビエは買う予定だったが、のちのち自分で猟などもするつもりだったので」と、地域おこし協力隊として移住、ジビエ工房で働くことを決めた。

 協力隊として美郷に移住したのは20年3月。初めてジビエ工房を訪れた際、担当者に指示されたのは「ここ(工房)にいてください」の一言。手続き書類や各種マニュアルなど何がどこにあるかも分からず、一つずつデスクの引き出しを確認することから始まった。

◆「開店休業状態」からの変革

 加工場でも、猟師が駆除した鹿やイノシシを受け入れ、解体するだけ。精肉にしたものは「連絡があれば売る」という具合で冷凍庫には多くの在庫が放置されていた。「ほぼ開店休業状態。駆除して邪魔になったものが運ばれているという印象を受けた」。ジビエ工房を発展させる上で欠かせないのが良質な肉(素材)。大きな変革が必須だった。

 町ジビエ振興協議会の副会長に就いた関屋さんは、協議会の規約を改正し、猟師の意識改革を行った。

 受け入れる個体は、獲物を仕留める「止め刺し」をしてから、▽2時間以内▽内臓に損傷がない――などと規定を定め、猟師にも「肉として意識して取ってほしい」と呼び掛けた。

◆報酬システムも構築

 良質な素材を求める一方、報酬も見直した。受け入れ可能な個体を工房に持ち込めば、駆除費に2000円を上乗せ。さらに、肉の質によって肉代金が数千円幅で加算されるシステムも構築した。

 当初は、新参者の関屋さんの呼び掛けに不服を唱える人たちもおり、持ち込み量が格段に減ったこともあった。それでも、思いを伝えるうちに賛同してくれる人たちが増えた。

 自身も解体技術の向上に努めた。雑菌の付いている毛を肉に触れさせないように皮を剥いだり、内臓を傷つけずに胃などに残る内容物を取り出すなど、衛生面を徹底しつつ効率良く解体する方法を探った。

 また、商品のパッケージ作成や加工品も開発。シシ肉の品質のランク付けや客単価を考えたグラム売り、さらにはインスタグラムやユーチューブによる広報活動など、次々に新たな取り組みを進めてきた。

 今月で運営を一手に引き受けて丸一年。昨年は、コロナ禍にもかかわらず精肉やギフトセットの売れ行きが好調で、在庫はほぼ完売。年間の売り上げは、初年度が50万円ほどだったのに対し、着任わずか1年で約200万円まで伸びた。

 ジビエ工房の業務が充実した一方、南郷から外に出ることが少なかった。2年目は北郷、西郷のほか、多方面に顔を出すつもりという。「自分は美郷町の協力隊。町をつなぎたい。自分のジビエ料理店を持つ目標は変わらない。そのためにさらに売り上げを上げ、工房の運営を安定させたい。今年は熟成器や瞬間冷蔵の機械を導入する。楽しみにしてほしい」。新たな挑戦は続く。

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