記者の道くさ−パティシエの仕事、公開中

　「子どもたちにお菓子作りの素晴らしさを伝えたい」と話すのは、ロリエ二見（延岡市大瀬町）オーナーシェフの二見記央さん（４３）＝写真＝。パティシエは子どもがなりたい職業の上位にもかかわらず、なり手が少ないのが現状。その解決の一助になればと、昨年１０月に動画投稿サイト「ＹｏｕＴｕｂｅ（ユーチューブ）に「『ロリエパテシエ』」スイーツチャンネルを開設。１年後の１０月、最初の目標だったチャンネル登録者数千人を達成した。

　意識するのは小学生でも理解できること、仕事の裏側まで全部見せること。実際にチャンネルを見ると、店頭に並ぶお菓子のレシピ動画が多い。そのため、店を心配する声が多く寄せられるが、「ユーチューブを見て作った。おいしかった」という報告と共に、同じお菓子を買いに来る人も。また、「ケーキ屋は夢のある仕事だが、この業界に入る前に現実を知ってほしい」と、昨年はクリスマスケーキの売り上げと諸費用も公開した。

　撮影は店の仕事を全部終えた夜。８〜１０分の動画だが、撮影に１時間３０分から２時間、編集に４時間ほどかかる。動画アップ後は複数のＳＮＳ（会員制交流サイト）で宣伝してからすべての作業が終了。その努力もあり、国内だけでなく海外からの反応も増えている。多忙な中、週２本は上げるようにしているという。

　「毎週楽しみにしている」という中学生男子が店に来てくれたこともあり、「やる気が増すし、非常にうれしい。数字よりも反応が一番」と励みにしている。

　登録者数は１２１０人（１５日現在）。「プロの仕事、パティシエの裏側、そしてお菓子の素晴らしさを見てほしい」との思いは変わらない。「延岡から世界へ発信していければいいなと思う。チャンネル登録して、活動を見てもらえればうれしいです」