Ｅｎｊｏｙ！家トレ（１０）ｔａｒｚａｎ協力

中殿筋鍛え、美尻効果も

　第１０回も前々回、前回に続き、転倒予防のための運動とトレーニングを紹介します。

　高齢者の転倒の要因として、一つにはバランス能力の低下があります。バランスは「静的な姿勢の保持」「急にバランスを崩された時の反応」「自ら動いて姿勢を保持すること」の三つの要素で構成されます。関節可動域と筋持久力、感覚の影響を受け、それらが加齢などによって衰えることでバランス能力の低下を招きます。

　下半身、特に太もも周りとお尻周りの筋肉を鍛えることでバランス能力を向上させ、転倒を予防することができます。

　今回は太ももの筋肉の一つで、骨盤や膝を内側から支える唯一の筋肉としても重要な「内転筋」を鍛えます。この内転筋が弱ると、足全体のバランスが崩れてしまい、Ｏ脚になったり、全身の姿勢にも影響が出たりします。

　もう一つは「中殿筋」を鍛えるトレーニングです。骨盤に当たる腸骨と太ももの骨を結ぶ筋肉で、お尻の両サイドにあり、股関節を動かす役割を果たします。

　高齢者の中で、歩くときに体を左右に大きく揺らしながら歩く方がいますが、これは中殿筋の筋力低下による可能性があります。

　中殿筋を鍛えることで、体の左右の動きをコントロールすることができ、歩行の改善や転倒予防につなげられます。また、ヒップアップの効果も期待できるため、美尻を目指す方にもお薦めです。

（フィットネスクラブ「ターザン」・塚元秀樹）

■内転筋・中殿筋のトレーニング

　背筋を伸ばした状態で椅子に座り、足を伸ばして少し浮かします。無理のない範囲で、浮かした足を開いたり閉じたりします。開閉を１回として、目安は１０回を２、３セットです


■中殿筋のトレーニング

　椅子の背もたれや壁に手を付き、片足ずつ外側に振り上げて戻します。左右同じ回数で動かします。目安は左右１０回ずつを２、３セットです


運動時の注意点
・どちらのトレーニングも背筋を伸ばして行うようにしましょう
・安定性の高い椅子を使ってください
・股関節などに痛みを感じる場合は無理をしないようにしましょう
・回数、セット数は体力に応じて調整します