コンビニに迫力の強盗

日向署が捜査訓練店側も対応確認

　日向警察署（黒岩誠署長）は１４日、日向市のセブンイレブン日向南町店でコンビニ強盗を想定した捜査訓練を行い、警察への通報や対応の注意点などを確認した。

　訓練は、来店した男が店員に刃物を突き付け、金を要求して現金を奪って車で逃走した―との想定。

　店員は「金を入れろ」「警察に通報するな」などと、刃物を向けて脅す犯人を刺激しないよう、抵抗などせずに素直に対応。逃走後、すぐに警察へ通報した。

　駆け付けた警察は、当時の状況や犯人の特徴など事情聴取をすぐさま開始。犯人が移動した一帯の足跡を調べたり、防犯カメラの確認を行った。

　店員は「店内を見渡していた」「かばんの中にお金を入れるよう指示された」などと話し、車で逃走した方向などを伝えていた。

　訓練前の打ち合わせで犯人を刺激しないことや特徴を記憶しておくよう指示を受けていたが、緑のジャケットをグレー、黒色のパンツを紺色と間違って覚えていたり、逃走車両の確認が遅れてしまうなど、想定通りに進まない場面もあった。

　訓練後は防犯指導もあり、指揮を執った刑事一課の田中浩徳警部補は、「事前の打ち合わせがあっても忘れてしまう。本番で特徴や被害品などを覚えておくことはとても困難なので訓練を重ねるしかない。とはいえ、無理はしないこと。自身の身を守ることが一番です」と呼び掛けた。

　同店のオーナー池田恵美子さん（５５）は「犯人役の声を聞いたら体が固まり、頭が真っ白になった。われに返ってなんとか車を追えたけど焦っていた。訓練だと分かっていてもこれだから、とにかく落ち着くことが大事。体験できてよかった」と話した。