冬空に温かな歌声響く

ヤマハ音楽教室・西村楽器延岡店

◆ゴスペル、ボーカルコースが発表会

　延岡市卸本町の西村楽器延岡店（奥松充弘店長）は１１月２９日、同店駐車場でヤマハ音楽教室のゴスペルコース、ボーカルコースの生徒の発表会を開いた。今年は新型コロナウイルスの影響でレッスンが制限され発表の場もなかったが、歌って元気を出そうと、参加可能な生徒が駆け付け、澄んだ冬空に温かな歌声を響かせた。

　感染防止のため、屋外の駐車場にマイクなどの機材を設置し実施した。家族や同教室の講師らが見守る中、ボーカルコースからは４人が参加。

　延岡小４年生の岩切心さんは、祖母が好きなＮＨＫ連続テレビ小説「スカーレット」の主題歌「フレア」と、母や自分が好きな椎名林檎の「幸福論」を堂々と歌った。「緊張したけど、練習したことを思い切り出せたので良かった」と笑顔だった。

　ボーカリストを目指している九州保健福祉大学１年生の堀碧（あおい）さん＝宮崎市出身＝は、広い音域のファルセット（裏声）を生かして「マリーゴールド」（あいみょん）と「糸」（中島みゆき）を歌った。来年は大学の春休みを利用し、全国を回って路上ライブに挑戦したいという。「自分の名前を覚えてほしい。応援してほしい」と意気込みを語った。

　ゴスペルコースからは染矢哲郎さん（５７）＝延岡市東本小路＝、甲斐朱観さん（４８）＝同市松山町＝、日吉和枝さん（６６）＝同市富美山町＝、日野美鈴さん（５３）＝同市鯛名町＝、川原淳子さん（３６）＝日向市塩見＝の５人が参加。ミュージカル「レント」の主題歌「シーズンズ・オブ・ラブ」と、ビル・ウィザースの「リーン・オン・ミー」を力強く歌った。

　ゴスペルコースは約９カ月ぶりにレッスンを再開したばかり。発表後、生徒たちはほっとした表情で「楽しかった」と顔を見合わせた。

　特に「リーン・オン・ミー」は、訳すと「僕に頼るんだ／弱気になった時には」「僕を呼んでくれ／助けが必要な時は」――と寄り添う歌で、「コロナ禍の今だから聞いてほしかった」という。

　染矢さんは「今年は発表の機会がなく寂しい思いをしていたが、こういう形で聞いてもらうことができ、うれしかった」と話した。