絶対王者にリベンジを−日向

全国高校ラグビー大会県予選

◆１０年ぶり聖地に一丸

　パワーとスピードを兼ね備えた躍動感ある攻撃で制した日向だが、「入りが悪く、自滅が多かった」と鈴木海人主将。かぶとの緒を締め、虎視眈々（たんたん）と頂点を見据えた。

　開始２分で１トライ。順調な滑り出しかと思われたが「あれで行けると調子に乗った」と丸田光二監督。気の緩みから、すぐさま逆転を許してしまった。

　それでも崩れることなく、計１１トライを挙げたのは地力があるから。日向の伝統とも言える、型にはまらぬ攻撃スタイルで縦横無尽にグラウンドを駆けた。

　試合後、選手に笑顔が少なかったのは、照準が定まっているからこそ。新人戦で完敗した絶対王者にリベンジするため、コロナ禍の中でも、工夫しながら自主トレーニングに励んできた。

　「一人ではできない。みんなで追い込み合った」と鈴木主将。２度の休校期間は、部員を自宅地域ごとにグループで分け、公園などに集まってトレーニング。ハンドリングや体力維持、向上のために走り込みも行った。

　フィジカル強化のためウエイトトレーニングもみっちりやった。ＬＯ齊藤肖英は、今年だけで１５キロの増量に成功。同じく１８０センチ超えの長身ＣＴＢ奈須秀虎も９５キロになるなど、チーム全体が春から一回り以上大きくなった。

　決勝まで１週間。「体を張って戦う」と口をそろえる齊藤と奈須。ロングキックとランスキルにたけるＦＢ志和池昂豊は「気迫のプレーで勢いに乗せる」。奈須と共にアタックの鍵を握る日高太幹は「誇りを持ってチャレンジする」と意気込む。

　丸田監督は「準決の課題点をしっかり修正する。相手の強みを消して、自分たちの強みを出す。チーム一つになって戦う」。１０年ぶりの聖地を目指す。