第４２回県高総文祭−文芸

俳句で矢北さん（富島）が最優秀賞

◆空テーマに３句最高賞に驚き−矢北さん

　第４２回県高校総合文化祭文芸部門は１０月１、２日、日向市中央公民館であり、俳句部門で矢北真凜さん（富島３年）の作品「青」が最優秀賞に選ばれた。１２月に熊本県で開催の全九州高校総合文化祭に作品が出品される。

▽水たまり踏む子らの声雲の峰
▽白シャツを干すベランダに欠けた鉢
▽六日目の蝉に夜空の骸かな

　作品「青」は、夏と秋の境目の印象的な空をテーマにした３句。身の回りで感じたことを、朝から夜へと時間の経過が感じられるように並べた。自身初の最高賞に「講評ではあまりいいことを言われなかったので、正直驚きました」。

　家の近くにある保育園から聞こえる声、白シャツ、セミの声。それらをテーマにいくつか作った中から、「感性がすごい」と尊敬する他の文芸部員たちや友人の評価も聞いて３句を決めた。

　昨年度は奨励賞。今年も意気込んで作品を出したが、最終日の講評は決して良くはなかった。１句目は良かったものの、２、３句目は「俳句で向けるべきテーマではない。もっと明るい、プラスなテーマにした方がいい」と厳しい。

　もう少し言葉の選び方にも工夫が必要と言われ、「指摘されると、確かにそうだなって。貴重な意見をいただけたと思いましたね」と矢北さん。諦めていた時に聞いた最優秀賞という結果は「まさか」だった。

　「いかに伝えたい景色を伝えられるか。新しい発見や出会いがあるので楽しい」と、俳句や短歌を作るのは好きで、高校に入学したら文芸部に入ろうと決めていた。卒業後は就職する予定で「部活で習ってきたことを少しずつ続けていけたらいいな」と未来を楽しみにした。

　文芸部門の最優秀賞受賞者・校と県北の入賞者は次の通り。

［部誌］
最優秀賞＝宮崎西「すくらんぶるｖｏｌ６」▽奨励賞＝延岡工業「世界樹第二十四号」

［散文］
最優秀賞＝坂本遥香（宮崎西２年）「雨」▽奨励賞＝岡田優（富島３年）「宵明ノ漣」

［詩］
最優秀賞＝前田悠良（宮崎商業３年）「ひとやすみ」

［短歌］
最優秀賞＝後藤匠人（宮崎西２年）「通学リュック」▽奨励賞＝黒木楓（日向１年）「手に絡む…」

［俳句］
最優秀賞＝矢北真凜（富島３年）「青」