落札と予定価格が同額

新庁舎案内板など整備工事

◆門川町議会が否決

　門川町議会９月定例会は８日再開。「町新庁舎建設サイン・表示等整備工事請負契約について」の落札価格が、予定価格と同額だったことなどから反対多数で否決した。採決の結果は反対７、賛成５。議会事務局によると、町提案の議案が否決されるのは、同町では極めて珍しいという。

　同請負契約は、新庁舎建設に当たり、屋外の施設名称看板や自立型懸垂幕装置、新庁舎内のフロア案内看板など表示に関する整備工事。

　工期は契約成立後から２０２１年３月３１日。入札方法は建築一式工事で指名競争入札。７月２８日に参加資格のある町内事業所６社が参加して実施された。

　町は落札した事業所を相手方とし、８月６日に仮契約を締結。条例の規定により、議会の議決に付すべき契約として今議会に提案していた。落札価格は税込み９４６０万円で、予定価格と同額。落札率１００％だった。

　反対した議員らは「予定価格、落札価格が同額。入札の在り方さえ疑問。町民の誤解を招きかねないのでは。町民の利益、入札の公平性を考えると到底承認できない」などとした。

　新庁舎建設室の浪岡慎太郎室長は「建設室内で今後の対応を検討したい」と話している。

　新庁舎建設をめぐっては、住民有志でつくる「門川町を考える会」が１８年９月、新庁舎建設計画の凍結など求める陳情書を町と町議会に提出、「役場庁舎の高台移転建設が、町民への十分な説明も無いままに可決された」などと主張し、建設場所、規模と機能、建設費用などの再検討を求めるなど、問題化していた。

　同日はまた、補正予算６件と財産取得３件、条例改正１件を可決、決算認定６件と１９年度水道事業会計の剰余金処分を所管の常任委員会に付託した。