新型コロナ−２６日県内、３５日ぶり感染者ゼロ

累計３５１人−退院・療養終了２５８人

　県と宮崎市は２６日、県内で２５日に計６１件のＰＣＲ検査を実施した結果、新型コロナウイルスの感染者は確認されなかったと発表した。１日当たりの新規感染者数がゼロだったのは、７月２１日以来３５日ぶりとなる。

　これまでに感染が確認された３５１人のうち、２５日時点の入院者は４６人（重症者１人含む）で、前日より２人減った。宿泊・施設療養中は延岡市内施設の８人（前日比１人減）を含め２５人。退院・療養終了した人は４人増えて２５８人となった。

◆ひとまず安心だが…

　第１波の収束から３カ月以上の静穏が続いた後、県内１８例目となる感染者が宮崎市で確認されたのが７月５日。その１週間後にも同市内で２人の感染が判明した。

　発生は散発的かと思われていたが、同市ではその後、理容店の利用者らと経営者の感染が判明。高鍋町では、接待を伴う飲食店を複数で利用した客や店員らのクラスター（感染者集団）が発生するなど、感染者数は同２２日から急増し、わずか１週間で６倍強の１２１人に達した。

　さらに、延岡市でも飲食店や利用客の事業所を中心としたクラスターが確認され、翌週は感染者が２００人を超えて、８月１８日には３００人台に突入。事実上の第２波は、第１波をはるかにしのぐ爆発的な再拡大となった。

　３例目のクラスターとなった宮崎市の事案をはじめ、高齢者が多く利用する施設などでの集団的な感染も発生。今月１４日には、重症となり入院治療中だった高齢の感染者が死亡し、県民に大きな衝撃を与えた。

　これまでに確認された感染者らの接触歴がほぼ把握され、約１カ月ぶりにＰＣＲ検査の陽性がゼロとなったことに対し、県の担当者は「それ自体は喜ばしいと受け止めているが、いまだに予断を許さない状況だ」と説明。医療機関からの依頼で実施している検査はまだ多く、「どこで発生するか分からない」と危機感を緩めない。

　県民に向けても、「決して安心せず、密を避ける新しい生活様式を取り入れることで感染予防に努めてほしい」と呼び掛けている。


◆２５日発表、２人の関係者は全員陰性

　県は２５日に感染確認が発表された都城市の１０代男性２人（２４日検査分）の行動歴なども報告。いずれも、三股町の高齢者施設に関連した感染者の家族で、濃厚接触者の親族２人や職場などの接触者数人にもＰＣＲ検査を実施したが、全て陰性だったという。

　また、クラスターが発生した宮崎市の高齢者施設は、感染確認された入所者全員の入院が完了したため、２４日まででＤＭＡＴ（災害医療支援チーム）の派遣を終えたことが報告された。