県内、新たに２０人−新型コロナ感染者

延岡市の会社、クラスターの可能性

◆宮崎市ニシタチの関係者も

　県と宮崎市は３１日、県内で新たに２０人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県はそのうち延岡市の４人と日向市の１人、７月３０日発表の１０５、１０６例目男性の計７人が延岡市の「興電舎」の社員と公表。県は「クラスター（感染者集団）の可能性がある」と示した。また、宮崎市の戸敷正市長は過去の感染者に県内最大の繁華街「ニシタチ」の関係者が含まれていることを明かした。これまで重症者はいない。

　３１日に確認された県北関係の５人はいずれも延岡市の同じ会社の社員。５０代男性▼５０代女性▼４０代男性▼２０代男性（以上延岡市）▼４０代男性（日向市）。

　県は、１０５、１０６例目の男性は同２２日に複数の同僚と会食していたことは分かっているが、１３６〜１４０例目の５人が同席していたかは確認中とした。

　県はそれぞれの行動・接触歴などを調査し、クラスターに当たるかどうか判断。クラスターの場合、発生場所についても調べる。それぞれの家族やほかの社員などとの接触歴の調査を進め、必要に応じて検査を行っていくとした。

　渡辺善敬県福祉保健部長は同社について、「迅速に社名の公表と、対策に協力いただいた。感謝と敬意をお伝えしたい」と述べた。

　また、県は、同３０日に発表した１１人の行動歴などを公表。１１８例目の日向市４０代男性は同１８日に、１０３例目の同市４０代女性と会食をしていたことが分かった。男性の濃厚接触者は家族４人でそのほかを調査している。

　西都市の障害者施設では、同２７日までに職員２人の陽性が確認され、同２９日に利用者２人の感染を確認。３１日までにそのほかの利用者、職員の検査が完了し、クラスターではないと特定できたと報告した。

　宮崎市は戸敷市長が会見。同３０日の検査で新たに１０人の陽性確認を発表した上で、これまで同市内での３９人の感染者の中に「ニシタチエリアの飲食店の関係者が含まれていた」と明かした。

　同市は同３０日に感染を発表した３人はいずれも、これまでに感染が発表された人と接触があったことが分かった。

　県によると、同２９日に来県した厚労省のクラスター対策班の滞在予定は約１週間。高鍋町のクラスター以外にも、延岡市の事例でも感染拡大防止に協力を要請するという。