延岡市４人、日向市１人−新型コロナ感染者

２９日、県内で新たに１２人

◆累計１０６人「最大級の警戒が必要」

　県と宮崎市は２９日、県内で新たに１２人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県北関係では、延岡市の▽３０代男性▽３０代女性▽４０代男性▽２０代男性、日向市の▽４０代女性―の陽性が判明。５人の行動歴、濃厚接触者などは調査中で３０日午後に発表する。県内の累計感染者は１０６人で重症者はいない。今月２２日以降に８６人と急増しており、県の担当者は「非常に深刻で最大級の警戒が必要な状況」。厚労省のクラスター対策班が２９日夜に宮崎入りした。

　２８日の県内の検査件数は２７６件。県は同日から民間検査会社へのＰＣＲ検査の委託をはじめた。

　感染者は２７日時点で４４人が入院。１４人が宿泊施設で療養し、１６人が入院調整中となっている。

　県北では、日向・入郷（１８床）に１人、延岡・西臼杵（１２床）に３人が入院。渡辺善敬県福祉保健部長は「医療提供体制が逼迫（ひっぱく）している状況にはない」と説明した。

　２９日に発表された県北関係の５人はいずれも入院調整中。クラスター（感染者集団）が発生したスナックや、すでに感染確認されている人との関係などは明らかにされなかった。

　２９日に県北以外で、新たに感染確認されたのは、高鍋町４人と宮崎市３人。行動歴などの確認を急いでいる。

　県が２８日に感染を確認した１１人の行動歴などが明らかとなり、クラスターのスナックを利用していた人が６人。すでに感染確認された人の家族、知人が３人。感染ルートなど調査中が２人だった。

　宮崎市が２８日に発表した９人のうち５人は、感染者の家族や知人などで接触歴が判明。残る４人は行動歴の中から、感染者との接触などは分かっていない。同市の担当者は「４例は明確な感染源は分からず、現時点の調査では、市中感染を否定できる材料はない」と述べた。

　県によると、高鍋町のスナックで発生したクラスターを調査する「クラスター対策班」が２９日に来県。県とともに情報を精査する予定で、現地視察も検討している。

　担当者は「過去の感染源も大事だが、これからの抑止策に助言をもらいたい。他の自治体での経験を生かした最新の知見に期待したい」と話していた。

◆延岡市の４人、夫婦と会社の同僚−４月３日以来の感染確認

　延岡市での感染確認は４月３日以来で計５例、日向市は今月２６日以来の２例目となった。

　同市は感染が判明した男女４人について、県内９９例目の３０代男性会社員と１０４例目の３０代女性は夫婦、１０５例目の４０代会社員男性と１０６例目の２０代会社員男性は職場の同僚であることを明らかにした。

◆新規感染者が限定的な地域−県が延岡西臼杵を指定

　県は２９日、延岡・西臼杵を「感染未確認地域」から「新規感染者が限定的な地域」に指定した。

　「感染状況が厳しい地域」「新規感染者が限定的な地域」「感染未確認地域」の３レベルがある。

　「限定的な地域」は宮崎市東諸県、都城・北諸県、日向・東臼杵など４圏域で、「感染状況が厳しい地域」は西都・児湯。「感染未確認地域」は７圏域中２圏域のみとなった。

◆７０例目の男性、スナック利用せず−県が訂正

　県は県内７０例目の高鍋町男性がクラスターのスナックを利用したとしていた点を訂正した。

　ほかの感染者との接触はあったが、クラスター店舗は利用していなかった。２８日時点で、クラスター関連の感染者は２４人となった。