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清本英男さんを悼む

本紙掲載日:2020-06-16
3面
昨年11月、延岡商工会議所とミャンマー日本人材開発センターで日本経営を学んだ研修生の同窓会組織(MABA)の間で包括連携協定の締結式に出席した清本英男さん。さらなる交流の深化を祈念した(ミャンマー・マンダレー)

延岡商工会議所会頭8期25年

 今月10日に亡くなった延岡商工会議所筆頭顧問で清本鉄工会長の清本英男さんは延岡商工会議所会頭を8期25年にわたって務めた。近く送る会が執り行われる予定という。訃報に各界から談話が寄せられた。清本さんの功績と寄せられたコメントを紹介する。


◆アイデアにあふれた企業家−高速道路からまつりまで実践の人

 清本英男さんは、経済人の立場から延岡市中心市街地の活性化、高速道路の早期開通などを訴え、持ち前のリーダーシップを発揮して多面的に活動、発言してきた。アイデアにあふれた企業家であり、実践の人だった清本さんのこれまでの主な功績を振り返る。

 中心市街地の空洞化については、延岡商工会議所の会頭就任以前から危機感を抱き、商店街など地元商業の再生と活性化を行政に強く働き掛けた。

 大きな投資を伴うアーケードの建て替えと広域商業施設の充実には、自ら地権者や金融機関などに赴き、その必要性を強く訴えるなど精力的に取り組んだ。

 1994年7月の会頭就任で最重要課題に掲げたのが高速道路の早期実現。経済界の先頭に立って運動を引っ張った。

 延岡市内の団体、企業でつくる「延岡道路・北方延岡道路建設促進期成会」、県北と大分県南部の商工会議所・商工会による「日豊経済圏開発促進協議会」などさまざまな推進組織の会長に就任。建設促進大会を毎年開き、中央官庁、国会議員などへの陳情・要望は延べ150回以上に及んだ。

 沿線自治体と連携した運動が実り、東九州自動車道は2015年3月に長年の悲願だった大分―宮崎間が開通、16年4月には北九州まで1本の線でつながった。九州中央自動車道は将来その一部となる北方道路が開通、高千穂日之影道路の整備も進んだ。

 高速道路は地方都市にとってもろ刃の剣ともなることから、開通に備えて「通過されない地域づくり」を目指した。その一つが10年10月から取り組んだ着地型観光の「ひむかのくにえんぱく」。地域資源を生かして企画された体験プログラムは延べ200を超え、同2500人以上が参加するなど好評を得ている。

 祭りにも情熱を注いだ。延岡青年会議所理事長を務めた1975年度に「まつりのべおか」を創始、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となったものの、40回以上続く夏の風物詩に育てあげた。

 九州三大春祭りの一つといわれる大師祭では、協賛会会長として「祭りのマンネリ化打破と市民参加型の祭り」を提唱した。商議所創立60周年記念事業として旧延岡藩を模した「大名行列」を企画。まつりの呼び物としてすっかり定着し、市中パレードには50団体・2千人が参加するなどにぎわい創出につなげた。

 長年の懸案だった県北初の4年制大学誘致には市と連携して取り組んだ。

 96年7月、民間の立場から支援する「大学をつくろう協議会」の会長に就任。建設費の一助となる「リフレッシュ延岡活性化募金」委員会を立ち上げ、3億円を超す募金を集めた。

 99年の開学後も学生と大学との意見交流会の開催、学生歓迎体制の充実、留学生への生活支援に取り組むなど市民と学生、地域と大学の交流を図った。

 このほか、日向市・門川町・延岡市の2市1町の経済団体で「ひむか経済懇談会」をつくり、広域観光を推進。99年に会長に就任した延岡税務署管内青色申告会連合会では、電子申告利用が全国トップクラスの実績を納めた。

 リーマンショック後の緊急経済対策として、「プレミアム付住宅リフォーム商品券」の発行事業を関係機関に働きかけて実現させている。

 ミャンマーとの民間交流にも意欲的に取り組み、交流拠点「ノベオカフェ」の開設に尽力。延岡・ミャンマー友好会の会長として同国に食品機械「真空フライヤー」を贈るなど大きな礎を築いた。


◆競泳の松田さんを支援−県内に呼び掛け活動費贈る

 清本さんは、2012年ロンドン五輪競泳でメダル獲得を目指していた延岡市出身の松田丈志さんと、二人三脚で指導に当たっていたコーチの久世由美子さんを応援するため、県内12社で結成したスポンサー会の会長も務めた。10年11月には2人に強化活動費を贈るなど激励。五輪までの2年間、年間1千万円の強化活動費を支援した。

 松田さんは09年末、それまでのスポンサーとの契約を終えたが、厳しい社会情勢の中でスポンサー獲得が難航。海外の高地トレーニングを中止するなど練習に苦労を重ねていた。清本さんはこうした状況を見て、自身が中心となって県内企業に協力を呼び掛け、スポンサー会をまとめた。

 3度目の五輪となったロンドン大会で松田さんは、競泳チームの主将として日本代表をけん引。200メートルバタフライで銅メダル、400メートルメドレーリレーで銀メダルを獲得し、清本さんら郷土の支えに応えた。


◆功績に敬意と感謝−各界からの惜しむ声

【河野俊嗣県知事】
延岡商工会議所の会頭として長きにわたり、地元延岡の発展に向けた強い情熱に加え、県全体の産業・経済の振興や産業人材の育成など幅広くご活躍いただくとともに、本県の高速道整備や国際交流の促進にも精力的に取り組むなど、県政の発展に多岐にわたり、多大なご尽力を賜りました。これまでのご功績に対しまして、敬意と感謝を申し上げます。

【読谷山洋司延岡市長】
ご遺族の皆さまのお悲しみはいかばかりかと拝察いたします。私の父が旭化成(株)在職中さまざまな接点があり、私も総務省在職中から接点がありましたので、これまでのことを振り返っております。今なお課題山積の延岡ですが、これから私たちの世代が新しい延岡づくりにまい進していかなければなりません。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

【濱井研史旭化成延岡支社長】
突然の訃報に接し、驚いています。言葉で言い表せません。清本さんは長年、延岡商工会議所会頭としてバイタリティーあふれる行動力と卓越した指導力で延岡市の産業発展を引っ張ってこられました。私は昨年4月に初めて清本さんにお会いし、お付き合いは短いものでしたが、その中でも貴重なアドバイスや協力をいただくことができました。今後助言がいただけないと思うと残念でなりません。

【吉玉典生延岡商工会議所会頭】
延岡市にとりまして唯一無二の偉大な人を失い、悲しみに堪えません。私は昨年11月に清本さんから会頭職を任されたばかりで、まだまだ教えを請いたいと思っていただけに残念でなりません。清本さんは寛容で円満な人間性を持ち、優れた指導力の下、何ごとにも情熱を持って取り組み、私ども延岡商工会議所にとりまして頼もしい存在でした。
会頭として8期25年の四半世紀にわたり、本市の経済・観光などあらゆる分野で地域振興に心血を注ぎ、また4年制大学の誘致や高速道路の整備促進にご尽力をいただきました。さらには「日豊経済圏開発促進協議会」や「ひむか経済懇談会」など広域連携の取り組みにも多大なご貢献をいただきました。そのご功績は一言では語り尽くせません。まさに「延岡を支える経済界のリーダー」であり、改めましてご功績に感謝を申し上げます。
深い悲しみに包まれていますが、われわれ延岡商工会議所は清本さんの「まちづくり」に対する情熱と意志を引き継ぎ、地域振興に取り組んでまいる覚悟です。

【林田タケ子延岡商工会議所女性会会長】
清本さまのご逝去の報に接し、ただただ残念でなりません。これまで女性会の発展のために多大なご貢献をいただきました。「これからのまちづくりは女性が持つ感性と情熱が欠かせない」と、私ども女性会に対してもまちづくりに積極的に関わるようによくお話しされていたことを思い出します。また、「これからは女性の起業家を育てていくことが大事になる」「女性の持つ感性を生かして企業を発展させてほしい」とも情熱を持ってお話しされていました。偉大な方を失い残念でなりませんが、清本さまの言葉を胸に、私ども女性会はこれからも地域づくりや企業の発展に取り組んでまいります。

【柳田泰宏延岡市社会福祉協議会会長、神話トライネット特別顧問】
延岡青年会議所(延岡JC)の大先輩で、延岡道路・北方延岡道路建設促進期成会(現・九州中央自動車道建設促進延岡期成会)などを通じて、長い間、地域が活性化するための高速道路の必要性を訴え、実現に向けて取り組んできました。高速道路のほかにも、まつりのべおかの立ち上げなど、とにかく延岡のまちを元気にしようと一生懸命に走り抜けました。相手が誰であっても言うべきことは言う。行動力と企画力があり、自らが動いていく熱い人でした。とても残念です。


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