イデの果てまで…
本紙掲載日：2020-06-12
8面
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先人の知恵、努力に学ぶ
◆高千穂小５年生山腹水路を探索
県北５町村の高千穂郷・椎葉山地域が認定されている世界農業遺産について関心を深めようと、高千穂町の高千穂小学校（押方彰一校長、３２０人）５年生４２人は３日、校外学習で棚田などの農業に欠かせない用水路を探索し、先人の知恵と努力に触れた。
標高の高い傾斜地の農業用水を確保するため、高千穂郷・椎葉山地域には約５００キロの山腹水路があり、うち町内の延長は１９２キロに及ぶ。この日は、町地域おこし協力隊員の金光太陽さんや町総合政策室の田��友教さんらの案内で町中を歩いて見学した。
校外学習のタイトルは「イデの果てまでイッテＱ」。コンセプトは「用水路の先まで行ってみたらこんなトコロだった」。
コンセプト通りに５年生は用水路を巡り、最後は三田井と向山地区の間にある高千穂峡下流の五ケ瀬川沿いの「音の谷」に到着。両側にそそり立つ絶壁を眺めながら、同町岩戸の土呂久川で取水された用水が学校周辺などの道沿いや地下を経由して、最後にまた川へと戻るまでを学習した。
５年生は、総合的な学習の時間に世界農業遺産を学ぶ計画。米作りなど一年を通して世界農業遺産に認定された地元が誇る有形、無形の文化について学習する。「何がすごいのか体験を通して地域の魅力、地元にグローバルな資源があることを知ってほしい」と金光さん。
５年の甲斐夕莉さん（１０）は「用水路の水がどこに行くのかなどを知り、昔の人は頭が良くてすごいと思った」。南村佑さん（１０）は「用水路がかなり長くて昔の人が苦労したことが分かった」と話した。